評価者にとって

人事評価制度において、評価者であるリーダーには、何が求められるのでしょうか。単に、評価をする、点数をつけるだけが役割ではありません。評価される側は人間であって感情もあり、考え方も持っています。外せないポイントと大切なポイントなど、まとめて考えてみたいと思います。

資質として

評価する人には、次のような点が欠かせないポイントです。特に、1の公平性は外せないところです。評価者は公平に評価していると思っていても、「かなり偏っている」と思われていたり、「明らかに好き嫌いで評価している」と言われたりします。他人から見て、公平に評価していると思われるような行動が普段からしなければならないことがわかります。

  1. 客観性と公平性
    • すべてのスタッフを平等に扱い、個人的な感情や偏見を排除して評価する能力。特定のグループをつくらないことも大切。普段の会話であっても特定の人に偏るのは避けたいところ。気を使いながら公平性を認めてもらうことです。
  2. コミュニケーションスキル
    • 明確かつ効果的にコミュニケーションを取り、フィードバックを的確に伝える能力。現実を伝えるフィードバックがポイントでしょう。フィードバックほど精度を上げることです。あいまいにフィードバックすると意味がありません。このあたりのボキャブラリーを増やすことは意味があると感じます。伝えるコミュニケーション力です。
  3. エンパシー(共感力)
    • スタッフの立場に立って考え、感情や動機を理解する能力。共感するといっても、譲歩するわけではありません。取り組んでいる仕事量や仕事の難易度を理解する共感力です。チャレンジしている人がいれば、どこをチャレンジしているのか、どこまでチャレンジしているのかを理解することだと思います。言い訳やあきらめを共感することのないようにしたいです。
  4. 分析力と判断力
    • 多量の情報を分析し、適切な評価を下す能力。情報が集まることが前提です。情報が不足している場合は、情報収集からになります。分析では、固定概念を外して数字を見ることを優先すべき。人はどうしても思い込みがありますし、ベテランほど思い込みから離れられないと言われています。
  5. リーダーシップと影響力
    • 他者を導き、評価結果に基づいて行動変容を促す能力。リーダーは評価者として、人として人格も認められるような人であることです。そこからスタートすれば、影響力も増していきます。評価される人が、この人から評価されたいと思われることになります。

優先順位を考えて

評価者になると、評価することしか考えなくなります。それでは、評価制度がスムーズに運営できません。それは、評価者の問題が大きく、上記のようなポイントを押さえておくことです。ただ、一度にすべてを習得できるはずなく、優先順位を考えて身につけていくことになるでしょう。

まとめ

評価者として認められるには、普段の行動から公平に接し、仕事内容を理解し、難易度も知っておくことになります。大きなことをする必要はありません、小さなことの積み重ねになります。評価して点数をつけることより、スタッフの成長を願いながら評価精度を運営することがポイントだと感じます。

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