どこと比較するのか
比較する範囲によって同じ結果でも違うように見えてきます。日本の日経平均株価が最高記録を塗り替えました。1989年の記録を2024年に塗り替えたことになります。新記録なので話題になっています。ただ、他の国はどうなのでしょうか。1989年と現在の株価の違いを比較すると見えてくるものがあります。
海外比較
1989年と現在2024年の株価比較は各国、下記のような数値になります。
- 米国ダウ平均株価:14倍
- 英国FTSE100指数:3倍
- ドイツDAX指数:9倍
- 中国上海総合指数:29倍
- 韓国総合株価指数:3倍
- 日本日経平均株価:1倍
(出典:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240222/k10014367121000.html)
見るとわかりますが、日本だけ成長していない。他の国は数倍になっているからです。日本だけ元に戻っただけ。成長はありません。これが遅れてきた成長であるならば、今後の伸長によって各国と同じになることも考えられるシナリオです。日経株価平均が10万円に到達するのではないか、という予想も海外比較から考えたら妥当に見えるシナリオです。海外が数倍になったから日本も数倍になる、という予測は海外データを見ると説得力のあるような予想にも見えてくるから不思議です。
多面的に見る
ひとつのデータでも比較対象によって全く違う結果になることがここではわかります。多面的に見るというのは
・比較対象の多様性
でもあるのです。国内だけを見て比較するならば最高記録達成、新記録達成は素晴らしいできごとです。日本の成長を実感でき、今後も期待できる内容に見えます。しかし、他国の成長と比較すると、大幅に遅れていることがわかります。
今後のシナリオはこうした多面的評価を根拠に形成されていきます。比較する対象が多ければシナリオも多くなるだけです。
まとめ
日本の今後はどうなるのでしょうか。他国のように移民政策によって人口が増える気配もありません。インフレも他国と比較すればまだおとなしい範囲です。株価に関しては、海外からの資金流入が発生しているので、今後も流入が続けば上昇の期待は大きくなります。しかし、いったん流失になれば株価の下落は避けられません。
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