あの業界で「さん付け」導入

日本の大手ハウスメーカーが、職場での呼び方を役職名ではなく「さん付け」に変更するという斬新な取り組みを始めました。この変更は、歴史ある化学メーカーからスタートした住宅業界において、企業文化を変える動きです。長い間男性が主流とされる職場文化に新しい風を吹き込むものだと感じます。その業界にいたことがあるので、流れが変わったのを感じます。

企業文化の変革

「さん付け」の導入は、日本の伝統的な企業文化であるJTC(ジャパニーズ・トラディショナル・カンパニー)にも大きな影響を与える可能性があります。JTCは、上意下達の企業文化や硬直的な組織運営が特徴であり、これまで多くの大企業の不祥事が、厳しい上下関係と意見を言いにくい雰囲気に起因しているとされてきました。不祥事が頻発している時期なので、是正に向けた動きが出ていると思います。

JTCとは
ジャパニーズ・トラディショナル・カンパニー(伝統的な日本企業)の頭文字で、上意下達の企業文化や硬直的な組織運営を皮肉る際に使われます。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC3018A0Q4A130C2000000/

企業文化の転換とその必要性

企業文化の転換は、不祥事を未然に防ぐためにも必要です。オープンでコミュニケーションが取りやすい職場環境は、従業員の意見やアイデアが自由に交わされることを促し、結果として企業全体のイノベーションや効率性の向上につながるからです。しかし、今までは手をつけられていないのも事実。歴史があり、組織規模が大きいほど、何かしらの大きな力が発生しなければ変革しないものだと感じています。

将来展望

この動きが他の業界や企業にも広がるのではないでしょうか。日本の企業が国際競争力を保ち、さらには向上させるためには、時代に合った柔軟な企業文化の構築が不可欠です。大手ハウスメーカーの「さん付け」導入は、その第一歩として注目です。

まとめ

大企業は不祥事が発生しないと変革しない。歴史があるほど壊すことができない。そんなふうに揶揄されることもあります。実際に表に出てくる事象だけを見てもそれを感じます。変革したい人がいても潰される。最後は不祥事となって問題になってからようやく会社が変わることができるようになる。そんなことも裏では起こっているのかもしれません。ただ、こうしたオープンな社風への流れは会社の透明性を作っていく流れなので逆らえないでしょう。今後も続くと思います。

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