デフレ脱却への道

日本経済は、長引くデフレからの脱却を目指しています。「デフレ脱却ストーリー」としては、「物価上昇→企業収益改善→賃金上昇→個人消費回復→そしてデフレ脱却」という一連のステップを予定しています。現在、企業収益の改善から賃金上昇への移行が進んでいる段階にありますが、この過程が消費回復へとつながるかどうかが、今後の日本経済のカギを握っています。

賃金上昇が消費回復につながるか

企業収益の改善に伴う賃金の上昇が、消費者の購買意欲を刺激し、個人消費の回復につながるかどうかは、日本特有の消費価値観に大きく依存していると判断しています。日本では、将来への不安から貯蓄を美徳とする価値観が根強く、消費者が容易に支出を増やすことはありません。そのため、賃金が上がったとしても、それが直ちに消費の増加につながるとは限らないと感じています。貯蓄をしている人はしっかりした人だという判断基準もあり、また貯蓄して資産を形成した人が勝ち組という価値観も存在しています。

消費マインドの変革

日本経済の持続的な成長とデフレ脱却を実現するためには、単に経済的な条件を整えるだけでなく、消費者のマインドセットの変革も必要ではないでしょうか。消費を促進するためには、貯蓄中心の価値観から消費もある程度は必要だという認識へと変化させる必要を感じます。特に自分の能力開花への投資はリターンがあるので、すべてを貯蓄にまわすのではなく自己投資も一定の割合で行いたいところです。

未来への投資としての消費

消費を単なる支出ではなく、個人の生活の質の向上や社会全体の活性化につながる「未来への投資」としてとらえる価値観も醸成できればベストです。エンタメだけでなく、「旅行」「書籍」といった分野に一定の投資を継続できれば実力も向上しながら生活も豊かに、人生も満足できるものになるでしょう。その結果がデフレ脱却になればベストではないでしょうか。

まとめ

日本経済のデフレ脱却に向けては、企業収益の改善と賃金上昇が重要なステップですが、それだけでは不十分。消費者のマインドセットの変革と、消費を未来への投資と捉える文化の醸成が、経済回復のカギを握っています。貯蓄だけでなく将来への投資が連携することで、経済全体は新たな成長のステージへと進むことができるでしょう。

政府「デフレ脱却」表明を検討 賃上げや物価見極め判断

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆