措置命令を6社に

広告の世界は、常に輝かしい成果や満足度の高さをアピールすることで、消費者の心をつかむことを目指しています。中には、「満足度トップ」という言葉を用いて、その製品やサービスが業界内で最も高い顧客満足度を誇ることを示唆する企業もあります。思い出すと1社や2社はそのような広告を見たことがあるのではないでしょうか。「業界NO.1」と広告で打ち出しているはずです。しかし、最近、ある企業が発表した「満足度トップ」という広告表示が、その根拠となる調査結果に問題があるとして不適切と判断されました。消費者庁が景品表示法違反(優良誤認)として6社に措置命令を出してのです。
https://www.caa.go.jp/notice/entry/036514/
https://www.caa.go.jp/notice/entry/036536/

リピート少ないビジネスに多いのか

これらの企業が委託して行った調査は、一見すると信頼性があるように見えましたが、その方法論には欠陥があったことが明らかになりました。最終的には、科学的な厳密性に欠ける点が指摘され、今後はこのような表示をしないように措置命令が出されたのです。

消費者に誤った情報を提供し、誤解を招く可能性があるため、極めて重要です。消費者は、企業が提供する情報を基に製品やサービスを選択しますが、その情報が不正確である場合、最終的には消費者の満足度や信頼に悪影響を及ぼすことになるはず。信頼を損ねてしまうのはわかっているはずですが、リピート率が少ないビジネスモデルの場合は、わかっていても実行してしまうのでしょう。集客だけに絞って、後のことはさほど重要視しない会社文化だと感じます。

どうしてなのか、から考える

この件は、広告における誠実さと透明性の重要性を再確認させるものです。企業は、顧客の信頼を得るためには、広告で使用するデータや情報が正確で信頼性のあるものでなければならないと感じますし、それを当たり前としたいです。また、消費者としても、広告に魅力的なフレーズが並べられている場合、その根拠や背後にあるデータを批判的に評価することからスタートすべきでしょう。

NO.1やランキング1位という表示があると安心するのも事実ですが、「どうしてそうなのか」を問う姿勢も忘れたくありません。

社内も

根拠のないNO.1を広告に使う企業の場合、社内では気が付いている人もいるのではないでしょうか。そうなると、感性の高い人から離脱していくようにも感じます。実力以上の内容を誇大に宣伝すると、顧客だけでなく社内のスタッフにも影響が出ると感じます。

「満足度トップ」根拠なし、国が措置命令
「イモトのWiFi」と飯田GHDに

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO78921320R00C24A3CT0000/

まとめ

ビジネスは、企業と消費者の間で築かれる信頼関係が、長期的な持続へとつながります。企業は、自社の製品やサービスに関する正直で透明な情報を提供することによって、その信頼を築くことができます。そして、消費者は、その情報を基に、より知識に基づいた選択をすることができるのです。この原則を忘れず、またここから外れずに取り組みたいところです。再現性のないことは広告しないのもひとつの方法です。無理をすればリスクがあることをここでは学んでおきましょう。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆