真の評価ができれば

AIの進歩により、仕事の評価方法が変わるだろう、変わってほしいと感じています。真の評価が可能になれば、人は能力を発揮したいと思う方向に向かうと考えているからです。ただ、そこには誰も解決していない領域がまだ残されています。今後は技術的に可能になっていくのではないでしょうか。特に注目しているのが生成AIのラグ(Rag)を活用した、過去のプロジェクトや業務内容の可視化です。

検索拡張生成(RAG、Retrieval Augmented Generation)とは、テキスト生成をプライベートデータソースまたは独自のデータソースからの情報で補完する技術のこと

https://www.elastic.co/jp/what-is/retrieval-augmented-generation

関わり方や貢献度

従来の評価方法では、プロジェクトに参加しているメンバーの具体的な貢献度や成果を正確に把握することが難しいという課題がありました。たとえば、プロジェクトに名前を連ねているだけで、実際にはほとんど関与していないにもかかわらず、プロジェクトの成果を自分の手柄のように言う人がいるかもしれません。一方で、陰で多大な貢献をしていても、表立って評価されない人もいるでしょう。このような不透明な状況では、正当な評価が行われず、モチベーションの低下にもつながります。

バイアス排除で

しかし、AIを導入することで、この問題を解決できる可能性があります。生成AIのラグを使えば、過去のプロジェクトや製品開発、営業活動などの情報を個人ごとに可視化し、関わり方や貢献度、成果を定量的に振り返ることが可能になります。AIが膨大なデータを処理し、客観的な指標に基づいて評価を下すことで、人間の主観や先入観によるバイアスを排除し、公平性を確保できると思うのです。

納得感も

また、AIによる評価は透明性が高いため、評価結果に対する納得感も得られやすいでしょう。自分の仕事ぶりがどのように評価されているのか、どの部分が評価されたのかが明確になれば、納得感が高まり、自己成長にもつなげやすくなります。いわゆる「やる気」が出てくるはずです。

まとめ

会社の歴史において、誰がどのように貢献してきたのか、誰でも振り返ることができる仕組み(システム)が将来は構築されていくのでしょう。そのため、社内の価値発生源がどこにあるのかを見誤ることはないと思います。しかし、組織は現状ではそうなっていません。評価者によって差が出てしまうのです。評価者も人間なので感情が入ってしまいます。それはわるいことではないのですが、公平にはなりません。その点をクリアするためにツールが生み出されていくと予想しています。

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