新札切り替え時に
2024年に予定されている新札への切り替えに伴い、企業や店舗の中には、券売機などの部品交換(ビルバリの交換)を行わず、キャッシュレス決済への移行を検討し始めているところがあるようです。通常ならば券売機の改修(ビルバリ交換)が発生します。そうすることで景気に刺激を与える効果も新札切り替えにはあると考えられていました。それが、その通りにならないようです。
普及が進んでいる
というのも、キャッシュレス決済の普及が進んでおり、消費者がスマートフォンアプリや電子マネーを利用して支払いを行うようになりました。60代でも使うようになったのが最近の傾向です。この流れを受け、一部の企業や店舗では、新札切り替えに伴うコストを考慮し、ビルバリ交換のコストを削減する動きになりそうです。思い切って、キャッシュレス決済への移行を選択しようとしているのです。
薄利の場合
特に、薄利のビジネスを展開している企業や店舗にとって、コスト削減は重要な経営課題。新札切り替えに伴うビルバリ交換費用を考えると、キャッシュレス決済への移行によって得られる利益の方が大きいと判断していると思われます。
キャッシュレス決済が既に浸透している地域では、新札切り替えのタイミングでキャッシュレス化を進めることで、顧客の利便性を高めながらコスト削減を実現できる可能性があります。しかも顧客もキャッシュレス化への移行に納得しやすい理由になります。
タイミング
企業や店舗がキャッシュレス決済への移行を検討する際は、以下のようなポイントを押さえておくといいでしょう。
- 顧客のニーズや特性を十分に理解
- キャッシュレス決済のメリットとデメリットを整理
- 現金とキャッシュレスの併用など、柔軟な対応もシミュレーションする
- 顧客への周知と理解を得るための伝達活動を行う:顧客の納得が分岐点
コスト削減と顧客の利便性向上を両立させるためには、綿密な計画と準備が不可欠。新札切り替えをチャンスととらえ、キャッシュレス化を含めた新たな方式へのタイミングを判断することです。このようなタイミングは数年に1度しかないものです。
まとめ
新札切り替えに伴うキャッシュレス化の動きは、まだ始まったばかりですが、今後さらに加速していくことが予想されます。企業や店舗は、自社の状況を踏まえつつ、良い機会、タイミングだと考えて検討し判断していきましょう。
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