ラグ3種類

「タイムラグ」という言葉があります。ズレ、遅れを表現した言葉。これが国の政策実施においては3つのラグがあると言われています。次の3点です。

  • 認知ラグ(Recognition Lag):経済状況の変化が起こってから、政策当局がそれを認知するまでの時間的な遅れ。
  • 決定ラグ(Decision Lag):政策当局が経済状況の変化を認識してから、適切な政策を決定するまでの時間的な遅れ
  • 実施ラグ(Implementation Lag):政策が決定されてから、実際に実施されるまでの時間的な遅れ

ラグ(lag)とは、経済学において、経済状況を改善するために発動する経済政策の必要性が認知されてから、実際に発動されるまでの時間的な遅れのことを指す。タイム・ラグや政策ラグとも呼ばれる

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%B0_(%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6)

経営においても

このラグについては、経営においても当てはまると考えています。次のようなラグが発生しているのが現実です。

  • 経営状況:状況変化を認知するまでの認知ラグ
  • 経営決定:状況を理解してから、決定決断するまでの決定ラグ
  • 実施スピード:決定されてから実施されるまでの実施ラグ

状況把握は、経営においてかなりの種類があります。世界情勢、日本経済、業界状況、顧客状況、社内状況、など考えれば考えるほど広くなります。ただ、認知するスピードは速い方がよく認知ラグは無くしたいところです。情報を素早くキャッチすることがここでは大切です。

決定決断は、状況を把握した瞬間にすることです。迷うこともありますが、とりあえず決めることからです。決断は訓練で速くなるので、日頃から意識することです。

ここで差がつく

決定されてから実施されるまでのラグは会社によって大きく差が出ています。最近は、先送り傾向にあるのが気になります。重要ではあるが緊急度の低いことが先送りにされていませんか。ここの実施ラグが企業の差になっていると考えています。というのも、現在の世の中では、認知ラグ、決定ラグで差がつくことがありません。情報格差もなくなりつつあり、差がつかない状況なのです。

差が出るのは実施ラグだけ。その認識を忘れたくはありません。

まとめ

情報収集のスピードや情報格差に差が出なくなりました。SNSの普及により情報が手に入りやすくなったからです。そのため認知ラグで差が出ることはほとんどありません。あとは、決断実行のスピードだけです。特に「すぐやる」という取り掛かるまでのラグで差がつくようです。ここにフォーカスしなければ経営において優位性は生まれません。新しいことに「すぐ取り掛かる」習慣がある企業は強いのはそのためです。新しいことに対して、じっくり勉強してから取り掛かる、ことは今の時代ではメリットを生まない可能性が高くなっています。取り掛かりながら、実践しながら学ぶのが正解なのです。

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