存続という名の

経営において、存続を目的とした現状維持は不十分だと感じています。現状維持という存続をゴールとしている時点でまちがっていることの方が多いのです。真の意味で、企業の継続的な発展を目指すためには、成長を念頭に置く必要があります。会社全体の成長を優先すべきなのです。しかし、実際には現場はそうではありません。部分最適を優先したり、功労賞的な人事を優先する傾向にあります。成長を軸に判断すればそうならないことも平気で行われることもあるのです。なぜでしょうか。その点を考えてみます。

なぜなのか

存続のみに焦点を当てると、どうしてダメなのか。それは、既存のビジネス領域に固執し、市場の変化に適応できなくなってしまうからです。

ビジネスの歴史を振り返ると、多くの企業が存続のみを考え、現状維持に甘んじた結果、衰退の道をたどったことがわかります。市場が縮小する中、既存の事業に固執し、新たな機会を探ることをしなかった企業は、次第に競争力を失っていきました。

一方で、成功しているように見える企業でも、その内実は現状維持に過ぎないケースがあります。好調な市場に助けられ、一時的に良い業績を上げているだけかもしれません。しかし、他社がその市場に参入し、競争が激化すれば、数年後には必ず衰退の兆しが見えてくるでしょう。

不変の法則

現状維持に陥っていることに気づくのは、残念ながら業績が悪化してからであることが多いです。順風満帆なときは、他者の意見に耳を傾けようとしないものです。それは人間の性であり、間違ってはいません。しかし、世の中は変化し続けており、同じことを続けていては永遠に上昇し続けることはできません。これは不変の法則なのです。

どうすれば

では、どうすれば現状維持の罠に陥らずに済むのでしょうか。答えは、常に成長を意識し、新たな機会を探り続けることです。既存の事業を大切にしつつも、その枠に捉われず、市場の変化を敏感に察知し、柔軟に対応していく必要があります。

具体的には、以下のような取り組みが考えられます。

  1. 市場調査と分析を継続的に行い、新たなニーズや可能性を探る
  2. 研究開発に投資し、革新的な製品やサービスを生み出す
  3. 社内のアイデアを積極的に取り入れ、新規事業の立ち上げを促進する
  4. 他社との協業やM&Aを通じて、新たな市場や技術を取り込む
  5. スタッフの能力開発に力を入れ、変化に対応できる人材を育成する

これらの取り組みを通じて、企業は常に成長の機会を模索し、市場の変化に適応していくことができると思っています。

バランス

存続と成長。この二つのバランスを取りながら、企業は持続的な発展を目指していかなければなりません。現状に甘んじることなく、常に高い目標を掲げ、挑戦し続ける。そうした姿勢こそが、激動の時代を乗り越え、企業を次のステージへと導く原動力となるのです。

まとめ

結論から言えば、成功体験は外に語らないこと。頻繁に口にしないことです。そう感じます。なぜなら、成功体験に固執し、成功体験しか実践しなくなるからです。新しいことに挑戦もしなくなります。新しいことも学びません。なぜなら、成功していると思っているからです。いわゆる慢心です。リーダーがそうなるとスタッフも横柄になります。威張るようになるのです。他者批判もするようになります。自分たちは成功者だからです。そんな人たちに、だれも何も言いません。業績が下降するまで気がつかないですし、意見も受けつけないでしょう。これが成功と思っている現状を存続させようとする現状維持だと感じています。

経営において、存続と成長はどちらも欠かせない要素です。しかし、存続のみを考えるのではなく、成長を追求することこそが、企業の持続的な発展につながります。現状に満足することなく、常に新たな可能性に挑戦し続ける姿勢が、経営者に求められていると思います。

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