チームリーダーを統率するリーダー
チームリーダーを統率するリーダーがいます。経営層の場合もありますし、事業部リーダーのケースもあります。このような統率リーダーの役割は、単に自分の仕事をこなすだけではありません。組織全体を見渡し、チームリーダーをサポートし、会社の未来を見据えた行動をとることが求められます。しかし、リーダーの中には、自分の役割を十分に理解せず、関わるべき人々との関係構築を怠る人がいるのも事実です。
ある会社で、新しい役職に就いて1年が経過したリーダーとの会話で、「自分のことで忙しく、チームリーダーと関わることができなかった」という返答がありました。また、別の場面では、「求められているポジションが正確にわかりません」といった言葉も聞かれました。これらの事例から、リーダーシップの本質的な問題点が浮き彫りになります。
役割と課題
問題点から見えてくることは、ひとつ。もともとチームリーダーだった人がチームリーダーを統率するリーダーに昇格したのにも関わらず、仕事内容がチームリーダーのままなのです。プレイングマネージャーの場合だと現場のことで時間を使ってしまうのです。時間の配分が変化しておらず、役職名が変わっただけだったのです。そもそも求められる役割と課題は下記になります。
- 事業部リーダーの役割は、組織全体を見渡し、チームリーダーをサポートすること
- 自分の役割を十分に理解せず、関係構築に時間を取らない
- 役職が上がっても仕事内容が変わっていない、時間配分が変わっていない
自分で気づく
リーダーの役割は、役職が上がるにつれて拡大します。しかし、一部の事業部リーダーは、時間がないことを理由に、新しい役割に伴う責任を果たそうとしません。これは、職務の放棄とも言えるでしょう。ただ、だれにも何も言われない立場なので、残念ながら自分で気がつくしかないようです。
こうした問題が発生する原因の一つは、チームリーダーのときに結果を出したことへの報奨として役職が与えられることにあります。確かに、業績に基づいて役職を与えることは間違いではありません。しかし、リーダーシップに必要なスキルや資質を十分に評価せずに役職を与えると、組織の将来に負の影響を与える可能性があります。
- 事業部リーダーには自分のキャパシティを拡大し組織全体のために行動することが求められる
- 業績のみを基準に役職を与えることは、組織の将来に負の影響を与える可能性がある
- リーダーシップに必要なスキルや資質を求めていくことが重要
求められない立場だから
キャパシティの狭いリーダーが増えれば、組織全体の成長が限定的になり、長期的には会社の縮小につながるかもしれません。5年後、10年後の組織の姿を予測することは難しいとされていますが、事業部リーダーのキャパが組織の未来を左右することは明らかです。リーダーのキャパの大きさに比例するので、企業規模は、その比例に応じて縮小したり、拡大したりするのです。
まとめ
時間が経てば、事業部リーダーのレベルが、会社の盛衰を左右することが明らかになってしまいます。事前に気がつくケースは少なく、結果論として片付けられるでしょう。ただ、先が読めてしまうときは早めに対応することだと思います。あくまでも部分最適ではなく全体最適です。
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