判断できない状況へ

「ここで学んだ方がいいですか。申し込みしようと思っているのですが」と質問されました。情報があふれているので探すのは簡単。自分の探している内容が見つかったようです。しかし、それが良いのか、わるいのかは判断できません。情報が多いほど、真偽を確かめられなくなるのです。その傾向は今後増加するでしょう。なぜなら、検索するとAIが返答する時代が来ているからです。AIの返答はすべてが真実ではありません。「回答は必ずしも正しいとは限りません。重要な情報は確認するようにしてください」とAIには明記されているほどです。このように学びも多様化しているので、その領域について解説してみます。

自由に手に入るが

現在は
・自由に学ぶことができる
・どこにいても学ぶことができる
・学ぶことに対して費用がほとんどかからない
などといった世の中になっています。

しかし、学ぶための情報を探すためには、ある程度の経験と知識が不可欠です。当たり前のように使いこなしている人にとっては、世界中から情報収集ができています。単純にツールの使いこなし方や、便利なサービスを知っているかどうかだけの違いです。これも情報格差なのかもしれません。学ぶ意欲があっても、学ぶソースを知らなければ、回り道をすることにもなりますし、費用もかかってしまいます。時間もかかってしまうでしょう。

ソース:論文検索

学びのソースは論文が基礎として位置付けられるでしょう。論文の検索場所はいくつかありますが、汎用的な内容であれば、Googleの論文検索が使いやすいと感じます。通常のGoogle検索と同じ使い方です。キーワードを入れて検索するだけ。すると論文が出てきます。論文を読むのに費用はかかりませんので、書籍で学ぶよりコスパはいいでしょう。ただ、読むのにあたって慣れが必要です。ただ、論文を書くわけではなく、リサーチが目的なので、目的の内容が1箇所でも見つかれば、それでOKです。特に言葉や用語の定義は論文で押さえておきたいところです。

オンライン授業も

無償でオンライン授業を提供しているCourseraが日本語対応になると発表がありました。AIによる翻訳のようですが、海外の大学の授業が日本語で受けられるようになっていきます。これだけでも大きな前進です。日本語という言語の画面があったので、ネット上のオンライン情報は1割程度しか入手できませんでした。それが自動翻訳によって、いきなり過半数の情報にリーチすることができるようになるのです。そうなると今度は情報にリーチする手法を習得することで差が出るでしょう。検索することに関しても、リサーチすることに関しても、ある程度のノウハウが追加で必要になってくると感じています。

情報リーチの情報格差

情報リーチについて内容をまとめておきます。

1)現在は自由に学ぶことができる環境が整っている

  • どこでも学ぶことができる
  • 学ぶための費用がほとんどかからない

2)学ぶための情報を探すには、経験と知識が必要

  • ツールの使いこなし方を知っているかどうかで情報収集力に差が出る
  • 便利なサービスを知っているかどうかで学習効率が変わる

3)情報格差の一種として、学び方の知識格差がある

  • 学ぶ意欲があっても、学ぶソースや学び方を知らないと回り道をする
  • 時間と費用がかかってしまう

4)Courseraが日本語対応になることで、世界中の大学の授業が日本語で受けられるようになる

  • 翻訳によって入手できる情報量が大幅に増える

5)情報にリーチする手法の習得で差が出る

  • 検索やリサーチのノウハウが追加で必要になる

まとめ

情報があるれ、情報過多になり、その次に情報の真偽に際限がなくなり、最後には情報を知っていることより情報の真偽判断ができることに価値が発生していくでしょう。大きく動いているのを感じます。騙される人も増えるでしょう。情報の真偽を測定するサービスも出てくるのではないでしょうか。そんな混沌時期が少しの間、続きそうです。

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