非公開情報を
テクノロジー業界の大手、ソフトバンクグループの創業者である孫正義氏が、直近の株主総会で興味深い発言をしました。非公開情報です。AI(人工知能)への投資戦略について語る中で、過去のエピソードを公開しています。
見逃した機会:NVIDIAとOpenAI
孫氏は、かつてNVIDIAのCEOと1対1で3時間にわたる会食を行ったエピソードを公開。アーム社を手に入れた翌月のことだったと語っています。一気にAIを取りに行く戦略です。会食では次の提案を行い模索したそうです。
- NVIDIAにソフトバンクグループへの参加を誘った
- NVIDIAとの協業を提案した(非上場化)
しかし、これらの提案は実現しませんでした。その後、OpenAIへの投資も検討したようです。
- OpenAI(ChatGPTの運営会社)への出資を提案
OpenAIへの出資は、最終的にMicrosoftが大規模な資金提供を行うことになり、ソフトバンクの機会は失われてしまいました。ただ今でも何かしらの提携は模索しているのではないでしょうか。
AI→AGI→ASI
孫氏は、ソフトバンクグループがAI分野に集中して投資を行う方針を明確にしています。AIは次の進化で
・AGI:Artificial General Intelligence(人工汎用知能)
になり、人間同等になっていく。それで進化は止まらず
・ASI:Artificial Super Intelligence(人工超知能)
まで行くと未来を語っています。ASIまで到達すれば人間の能力の1万倍を有するAIが誕生するようです。https://www.softbank.jp/biz/blog/business/articles/202310/what-is-agi/
Armの成功
ソフトバンクグループの投資が大きな成功を収めたと今回報告がされています。その代表が半導体設計企業のArmです。孫氏によると、Armの時価総額は、ソフトバンクが買収した時点と比較して現在8倍にまで成長している。時価総額は20兆円増加したそうです。これは、ソフトバンクの投資戦略が成果を上げていると報告されていました。
まとめ
未来を先回りする。簡単そうですが、簡単ではありません。予測する未来がいつ到来するのか時期がわからないからです。すぐにやってくる場合もあれば、なかなか実現しないこともあるからです。だけどビジネスは未来予測をしながら先回りをしている方が楽しみも倍増します。当たったときの喜びは大きい。AIはまだ普及している段階であり、しかもAI自体が進化の途中。どうなるかは誰もわかりません。しかし、有能なツールとしては定着するので、このような予測はいくつも見ておきたいところです。
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