人手不足と新卒者減少

日本の労働市場は変化に直面しています。人口減少が労働市場にも影響が出始めています。今後は、毎年同じニュースが流れることになるでしょう。注目すべきは、人手不足による倒産の増加と新卒者数の減少。この問題は企業にとって深刻な問題となることもあるはずです。そのためにも、現場の状況を認識しておくことだと思います。

増加・過去最多

最近の報道を見ると、人手不足による倒産が過去最多のペースで増加しているのがわかります。特に10人以下の企業が倒産の8割を占めており、数人減るだけで経営が行き詰まってしまうのです。この状況は、たった数人の人財を確保できず、事業継続が困難になっていることが推測できます。

新卒者数も減

人手不足の背景には、新卒者数の大幅な減少もあります。統計によると、

  • 高卒の新社会人:1991年ピーク時105万人→2023年51万人まで減少。49%減
  • 大卒の新社会人:1995年ピーク、そこから38.%減少。

企業が新しい人材を確保することがいかに難しくなっているかを如実に表しています。業界によっては「新卒なんて来ないよ」と嘆いているのも聞いたことがあります。採用をあきらめている企業もあるでしょう。自分たちの代で終わり、と決めているようです。

何をするのか

このような現状があり、将来も人が減少することは見えています。経営者の仕事は、採用に向けてエネルギーを注ぐことになりそうです。特に企業規模が限られるのであれば、数年計画で採用確保を考え、行動することになるでしょう。毎日の取り組みの中に採用活動を時間配分すると将来困らないことになるはずです。

採用は出会いであり、運次第、と考えている人もいますが、偶然に経営を委ねるわけにはいきません。毎日の積み重ねの先に偶然が発生するくらいのつもりで取り組むべきでしょう。

まとめ

ひとつの解決法としては、インターンやアルバイトとして学生と接する機会を増やすことは有益。直接学校と関わることも時間がかかりますが、結果に結びついてきます。何より、10代20代が何を考えているのかわかるので、採用活動の精度は上がっていくはずです。採用したい人たちの解像度が上がっていくからです。ビジネスの売上、利益戦略と同じくらいエネルギーと時間を投資することになりそうです。

——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆