消費行動の変化

小売業界の動きに注目です。興味深いです。来店客数の減少が発生しています。生活用品、食品の買い物回数が減少しているのです。お店に行く回数も減っているのでしょう。その一方で、特定の業態では好調な売り上げを記録しています。どこかが減れば、どこかが増える。いつも行っているお店から、違うお店にシフトしているとも想像できます。売上の移動であり、顧客の移動でもあります。

動き

現在の小売業界の動向を簡単にまとめると、以下のようになります:

  • 小売店全般の来店客数が減少
  • リサイクルショップの衣料品販売が好調で上方修正も
  • 100円均一の雑貨販売も好調
  • インバウンド需要による高級品(カメラ、理美容品、時計など)の販売も好調

これらの傾向から、購買行動の変化が進んでいることがわかります。データとして理解できる範囲まで表出してきました。

この時期強い

リサイクルショップの衣料品販売の好調ぶりは特に注目に値します。リサイクルの上場企業が業績予想を上方修正するほどの勢いを見せています。消費者の節約志向の高まりを確認できるデータです。新品と比較して中古品を選ぶ顧客層が増加している。中古品を求める消費者増えている。感覚が行動を促しているのでしょう。同様に、100円均一の雑貨販売も好調です。物価上昇が続く中、生活必需品を少しでも安く購入したいという消費者心理でしょう。100円均一で販売している製品を選ぶことを優先するようになったと考えています。まずは100円均一ショップで探し始める行動だと推測しています。

ここは

インバウンド需要による高級品の販売は好調です。カメラや理美容品、時計などの高額商品が外国人観光客に人気。円安の影響もあり、海外からの旅行者にとって日本での買い物は3割引から半額程度に見えるのでしょう。安いだけでも興奮し、また旅行中なのでテンションも上がっていることと思います。インバウンド効果は続きそうです。

遅れが出ている

厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、物価変動を考慮した実質賃金は5月まで過去最長の26カ月連続でマイナスを記録しています。つまり、データ上では物価上昇のスピードに給与アップが追いついていない状態。そうなると、消費者は選択を迫られている状況にあるのです。必要なモノは安く抑え、本当に欲しいものや満足感を得たいモノにはお金をつかう。そんな消費行動が、小売業界の現在の姿を形作っているのではないでしょうか。

まとめ

統計データが公開されると、過去のリサーチと照らし合わせ、フィットしているところ、ズレているところを確認します。また、データから見える消費者の行動を想像しています。しかも、その行動のもとになる心理はどこにあるのか予想してみます。この予測した心理状態が合っているのか、出会う人に再度確認をするようにしています。ここまでやると、確率が高い予想が出てくるようになります。今回の小売業界のデータは想像できる範囲の内容でした。ただ、顧客の心理は表に出てこないので、その点は今後も確認していくつもりです。

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