システム障害発生

当たり前のように使用しているコンピューターシステム。その便利さの裏に潜む危険性を、今回の世界規模のシステム障害で大きく感じました。いつかは全世界で停止になる日が来るとは感じていますが、部分的な一斉停止は、その前兆とも言えるかもしれません。19日に発生したこの障害は、単なるセキュリティソフトのアップデートが引き金となり、世界中の空港など、生活に直結する重要インフラに甚大な影響を及ぼしたのです。損害も大きなものになるでしょう。あらためて経済活動はシステムの上で成立していることが理解できました。

内容

今回発生した主な内容は下記の通り。ささいなことが大きく影響してしまったようです。

  • 影響範囲:ヨーロッパ、アジア、アメリカの空港など
  • 航空便への影響:4600便以上が欠航、約41,000便に遅延
  • 原因:アメリカの情報セキュリティー会社「クラウドストライク」のソフトウェアのアップデートに関連して
  • 影響を受けたシステム:MicrosoftのWindows搭載PC

特に航空業界への打撃は大きく、4600便以上が欠航し、約41,000便に遅延が生じました。それぞれの便に乗るはずだった人々の予定や計画が狂い、ビジネスや個人の生活に多大な支障をきたしたことを意味します。足止めになるとストレスも溜まります。しかも、アップデートのミスで足止めされたと思うと、やるせない気持ちになるでしょう。

脆弱性

今回の事態で浮き彫りになったのは、現代社会のシステムの脆弱性です。生活や経済活動は、これらのシステムに大きく依存しており、そして、それらが一斉に機能を停止したとき、突如として行動の自由を奪われるのです。経済活動さえもままならない状況に陥ることが証明された形です。

代替を考えておく

システムの効率性や利便性を追求する一方で、その脆弱性にどう向き合うべきか。バックアップシステムの充実や、非デジタルな代替手段の確保など、レジリエンス(回復力)を視野に入れなければなりません。企業は、デジタルに過度に依存しないプロセスを代替案として持っておくことも大切でしょう。

まとめ

今回のできごとは、社会がいかに脆いバランスの上に成り立っているかを如実に示しました。この教訓を活かし、システムがない状態で、何ができるのかをシミュレーションしておきたいところです。

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