世界初

2024年7月20日、モーターサイクルイベントが日本で行われましたが、そのときバイクメーカー(Kawasaki)が世界初となる水素エンジンバイクの公開デモンストレーションを実施しました。インパクトが大きく、メディアでは取り上げられています。自動車も、内燃機関のエンジンから電動化へ移行しつつありますが、その一方で、水素エンジンも提唱されています。バイクも同じような流れになるのでしょうか。

水素バイクの技術

このバイクは、従来のガソリンエンジンを水素で動作するように改造するという課題に取り組みました。主な技術的特徴は以下の通りです:

  1. 水素燃料の使用:従来の化石燃料の代わりに、クリーンな水素を燃料として採用
  2. エンジンの大幅改造:水素を効率的に燃焼させるための特別な設計変更
  3. 直接噴射システム:水素燃料をシリンダーに直接噴射する方式を開発

これらの改良により、エンジンはガソリンではなく、水素を燃焼させて動力を生み出し、バイクを推進させます。排気ガスもクリーンなものしか排出されないエンジン。これは、トヨタ自動車でも試作されており、自動車レースでも登用されています。ネックは、走行距離。1回のタンク充填で走行できる距離が短いのが今のところ欠点だと自動車レースでは書かれてありました。燃料供給回数がガソリン車の2倍ほど必要なのです。

環境への影響

水素バイクの開発は、モーターサイクル業界における環境負荷低減の取り組みの一環。環境を意識しなければならない時代が来ることを予想して動いています。この技術には炭素排出量の大幅な削減という利点があります。しかし、水素ステーションの拡充が必要であったり、水素タンクの耐用年数が決まっており、年数が経つと交換が必要だったと思います。維持費まで含めてガソリンエンジン同等まで下がらなければならないでしょう。電気自動車も同様です。環境への負荷は少ないですが、電池の保証期間は8年間だったりします。8年経つと100万円以上かけて電池交換しなければなりません。そうなると中古車市場での価値が減少してしまい、結局のところ選択されない可能性もあるのです。

今後の展望

水素エンジンの展望は今後どうなのでしょうか。課題は次の点だと考えています。

  1. 水素燃料の供給インフラの整備
  2. 量産化に向けた技術の最適化、コストダウン

課題は大きいですが、可能性は否定できません。なぜなら、技術革新がさらに発生するかもしれないからです。水素を貯めておくタンクの技術も今後改良されるでしょう。そうなると航続距離は飛躍的に伸びていきます。ガソリンを凌駕する可能性もあるのです。

まとめ

水素バイクのデモンストレーションは、モーターサイクル業界における重要なマイルストーンだと感じます。環境への配慮と走る楽しさを両立させる新技術は、持続可能なモビリティの未来を切り開く可能性を秘めています。この革新的な取り組みが、他のメーカーにも影響を与えるでしょう。他も追随していくのか確認していきたいポイントです。

kawasaki runs world’s first public demo of hydrogen motorcycle with water emission in japan

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