発言の意図

人の発言の裏にある真の意図を理解することは、思いのほか難しいものです。表面的には、とてもまともなことを発言されているのですが、よく見てみると発言の内容とは別のところに発言の意図が隠れていることがあるからです。しかも、その意図は発言した本人にも気づかないほど深く隠れていることもあるのです。たとえば、正しいことを伝えなければと正義感を持って発言する人がいます。しかし、その裏には自分の存在を証明したいという欲求が隠れている可能性があるのです。一見、それを見抜くことはできません。

見抜く

このような意図を見抜くには、以下のポイントを意識することです。

  • 一回の発言内容だけでなく、繰り返し発言の内容を観察する
  • 発言者の発言内容だけでなく行動も合わせて観察する
  • 発言の背景にある感情や動機を推測してみる
  • 相手の過去の経験や価値観から類推する

深層心理

しかし、ここで注意しなければならないのは、このような深層心理を理解する能力を持つ人が、ときとして他者をコントロールしようとすることがあるという点です。これは非常に危険な側面を持っています。企業の場合、組織を破壊することもあります。人をコントロールしようとする人が使う手段は、次のとおり。

  1. 巧妙な操作
  2. 感情的な支配
  3. 情報量の操作
  4. 依存関係の構築
  5. 相手の孤立化

対処

このような人に対処するのは、時間と手間がかかるものです。しかも、正面から議論しても正義感で意見を言っているので、平行線になることもよくあります。「チームのことを考えて意見を言っているのです」と正義感を振りかざすでしょう。そのときは、「チームのことをどこまで考えているのか確認する」といいでしょう。口先だけで「チームのため」と言っているのか、根拠に基づいて「チームのため」と伝えているのかは明確な区分けがされるからです。

まとめ

組織は1人よって崩壊させることは可能です。常に、この組織はおかしい、と言い続けることでメンバーが疑問を持ち始め、組織が崩壊していくのです。その兆候が見えたら、対処は必要になるでしょう。まずは、そのような人を見抜くことからですが、これも時間がかかることがあります。時間をかけてでも対処していくのがベストだと感じます。

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