スピードと量

経営者の仕事は最終的には、ビジネスモデルを構築するところになるので、労働時間という概念は無くなります。最終的には働いている時間はほとんどないのかもしれません。しかし、事業を立ち上げたり、スタートアップ企業では長時間労働はあたり前になります。そんなとき、経営者の働き方は様々ですが、大きく分けて2つのタイプがあると考えています。

  1. 集中型
    やる時は16-20時間働き、疲れると何もしない日もある
  2. 安定型
    毎日コンスタントに10時間程度働く

一見すると、集中型の経営者の方が「頑張っている」ように見えるかもしれません。寝る間も惜しんで働く姿は、確かに印象的です。身体に負荷をかけて取り組んでいるので、周りも何も言えません。しかし、実際の業績やビジネスの進捗を見てみると、意外な結果になるときがあるのです。

集中型の傾向

集中型の経営者の業績は、しばしば乱高下します。良い時は非常に良いのですが、悪くなると底が見えないほど悪化することがあります。いわゆる「0か100か」の世界です。ビジネスの進捗も同じ。時間をかけている割には最も重要なところが進んでいないのです。

なぜこうなるのでしょうか。考えられる理由としては、

  • 疲労の蓄積による判断力の低下
  • 不規則な生活による健康への悪影響

があります。睡眠不足はどうしても頭の稼働率を下げてしまいます。睡眠不足が蓄積されると、常に酩酊状態になっているのを同じだと言われています。これでは、どうしても仕事が進まないはずです。

安定型の傾向

一方、コンスタントに働く安定型の経営者は、業績が急激に悪化することは少ない傾向にあります。仕事の進捗も一定です。大きく進捗することもありませんが、計画通りに進んでいきます。

安定型の良い点だけを見れば、次のとおり。

  • 一定のペースで進捗する
  • 継続的な取り組みでスキルも上昇する(スキル上昇は臨界点を超えると一気に上がる)
  • 健康的な生活リズムの維持により精神も健康でいられる

どちらが

経営において、一時的な頑張りも時には必要です。しかし、長期的な視点で見ると、安定したペースで働き続けることの方が、持続可能な成功につながる可能性が高いと考えています。毎日の蓄積は時間の経過とともに大きくなるからです。1年や2年でビジネスが終了するわけではありません。やはり長期間、超長期間の視点で計画した方が楽なのではないでしょうか。

まとめ

毎日の蓄積によってアドバンテージを得るには、スキルや能力の壁は低い。素人が誰にも教わらず毎日スキルを磨いても時間が経てばプロになっていきます。回り道をするかもしれませんが、プロフェッショナルに到達するものです。ということは、集中力を高めて全力疾走する場面はあくまでも限られており、自分の身体と精神と相談しながら全力期間を決めておくことだと思います。緩急のバランスをどこに取るかがここではポイントです。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆