新総裁

自民党総裁選挙が終わり、新しい総裁が決まりました。決選投票の結果石破氏は215票を獲得し、対抗馬の高市早苗氏の194票を上回りました。石破氏は10月に召集される臨時国会で第102代首相に指名される見通しです。この結果、予想外だとして市場も急反応しています。

・急激な円高
・株価下落

これは、単に他の候補者が総裁になるだろうと見込んで動いていた市場変動分が元に戻った形になります。気になるのは今後です。政権が変わり政策がどのような動きになり経済にはどう影響してくるのでしょうか。大きくは前政権を踏襲する動きだと今は感じています。

経済面

経済面では次のような動きが出てくると考えています。実現時期はちがいますが、流れとしてはこの内容で動いていくでしょう。

◆金利上昇
正常化に向けて金利が上昇する可能性が高まりました。企業の借入れコストは上昇を続けることになります。
◆最低賃金の毎年上昇
最低賃金を年間40〜50円ずつ上昇させると思います。時給1,500円になるまで毎年の上昇が既定路線です。恒例行事になるかもしれません。
◆消費税15%の実現
消費税率が10%から15%に上昇することが予想されます。すぐではないかもしれませんが動きとしては、消費税アップの流れになると予想しています。これも消費には大きな影響を与えていきます。いつ発生するのかを見定めることだと感じます。

今後

これらの変化を予想しながら対応していきたいところですが、次のようなことを考えておく時期に来たと思います。

企業:
・財務計画の見直しか作成パターン数を増やしておく。シミュレーションの数を増やしておく
・コスト見直し修正をする
・労働コストや消費税上昇に対応するためにできることを今から準備する

このように、企業としては事前準備項目が増えたといえるでしょう。未知な領域が大きくなるときは、シミュレーション数を増やして、想定未来の領域を広げておくことです。

ときには、値上げや高価格帯製品開発などの価格戦略を検討しなければ間に合わないケースでも出てきます。

まとめ

今後のキーワードは『適応力』となります。環境の変化が激しくなるからです。しかも1年で終わる変化ではなく、数年間にわたって変化し続ける見込みなのです。1年で終了とはならない。数年間続く現象だと認識するところからです。

またコストアップインフレは続くので、それを上回る価格で提供しなければ企業経営は成立しません。値上げできる力、高価格で提供できる力がこの場合の適応力になると考えています。できることは、今から準備しておくことだと思います。

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