烙印を押されると
「必要とされない人」という烙印は、個人にとって衝撃です。仕事をする上で「必要とされる人」として認められるのは、世界中共通項でしょう。年齢を重ねても、経験を積み上げていっても、
・必要とされる人
・必要とまで言われない人
・いてもいなくてもいい人
・不要な人
と分かれてくるのではないでしょうか。(これは、組織との相性もあるので、絶対的な評価ではありません。相対的な内容なので、組織やグループを移動すると評価が上がる人もいます)
米国陸軍参謀総長を務めた日系3世エリック・シンセキ氏の「変わるのが嫌な人はやがて、廃れることに耐えられなくなる」という言葉は、まさにこの現実を端的に表現しています。https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD091A80Z00C24A9000000/
必要とされる
ビジネスの世界において、「必要とされる」という評価はシンプルで明確な基準に基づいています。それは「組織への貢献度」です。企業や組織は収益を追求する集団であり、その目的達成に寄与する人が「必要な人」として認識されます。では、貢献しなくなる人の特徴には何があるでしょうか。思いつくままに書いてみます。
- 過去の成功体験を語り、その体験通りの行動しかしない
- 新しい技術やツールの習得を避ける、もしくはできないと否定する
- 従来のやり方を変えることに抵抗がある、あるいは変えない理由を述べ続けている
- 市場やユーザーニーズの変化に対する感度が低い、または事実を見ようとしない
- 組織の変革に消極的な態度をとる、もしくは既存の上下関係の継続を優先する(自由競争させなくなる)
10年スパンで見える
短期的な視点では、この「必要とされない人」への転落は見えにくいものです。1年や2年という期間では、従来の方法でも一定の成果を出せることがあるためです。しかし、10年という長期スパンで見ると、その差は歴然となります。10年前と比較すると実感するのではないでしょうか。このような話題は、あまり受け入れられるものではありません。現状の業績だけで判断されるからです。裏側まで見て判断しなければならないでしょう。たとえるなら、これは氷山の崩壊のようなものです。表面的には安定しているように見えても、水面下では確実に浸食が進んでいるのです。
耐えられない
「必要とされない」という認識は、単なる評価の問題ではありません。ベテランになってから、必要とされないことも多々あり、それは個人の自尊心を深く傷つけ、精神的な苦痛をもたらします。この苦痛は、往々にして変化に向き合う不安や困難をはるかに上回るものとなります。
ここで重要なのは、変化を受け入れることは単なる適応ではなく、戦略的な選択だということ。それは自己の市場価値を維持・向上させるための積極的な投資だと思います。そのためにも、自分の将来像を5年先、10年先まで想像しておくことでしょう。ぼんやりでいいので、描いておくことは有益です。5年先のことを今から準備すれば到達難易度は下がります。これを必要とされなくなってから挽回するには大きなエネルギーが必要になってしまいます。
まとめ
世の中の事象を見て、変化を感じているのでしょうか。世の中は、「今までにないことが発生」したり、「予想では起こらないことがスタート」したりしています。専門家の予想も当たっていません。そんな世の中があるのを感じる力もここでは必要なのだろうと感じています。感じる力があれば、必要とされる人になるのはそれほど難しくないのではないでしょうか。
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