部門間対立

部門間、部署間の対立は、企業が抱える悩みであり問題です。たとえば、製造部門と営業部門の対立はわかりやすい事例ではないでしょうか。対立がないときはまったくないのですが、対立が生じると何年も対立し続けることもあります。静かな対立もあり、表面ではわからないこともあります。

これは、単なるコミュニケーション不足だけでなく、組織構造や評価制度など、様々な要因が絡み合っていると考えた方が解決に近くなります。組織の文化が影響していることもあります。

特に別々のオフィスで勤務している場合、お互いの業務への理解が進まず、不信感が募っていくものです。見えないから、余計不信感が増幅してしまうのです。これは企業規模に関わらず発生しています。大企業であっても、よく聞く話です。

先ほどの営業部門と製造部門の対立のケースでは、次のような意見を聞くことがあります。
・営業からは「製造は顧客ニーズを理解していない」
・製造からは「営業は現場の制約を考えていない」
という不満が出てくるのです。

解決のポイント

部門間対立を解決するにはポイントがあります。双方の意見を聞きながら解決していくのですが、中立の立場を最後まで貫く姿勢を保つことです。解決しないケースを見ていると、解決する立場のリーダーが偏ったジャッジをしたり、どちらかに偏った姿勢を見せてしまうからです。あくまでも中立な立場を保てる人が進めることがポイントです。

従来型解決策の限界

よく実施されている従来型の解決策は、表面的なアプローチに留まっているのではないでしょうか。下記の箇条書きにあるような部門間の交流会や定例会議の設置、情報共有の仕組み作りなどが一般的ですが、これらは表面的な効果しか生まないと考えています。根本治療がなければ治癒しないのです。

「一般的な従来型の解決策」

  • 部門間交流会の実施
  • 定例会議の設置
  • 情報共有システムの導入
  • 社内イベント実施

本質的なアプローチで解決

真の解決には、経営層による踏み込んだ決断が必要になると考えています。特に重要なのは、「痛みを伴う改革」の実行です。これには組織構造の抜本的な見直しや、場合によっては対立の中心となっている人材の異動も含まれます。

  • 組織改革
  • 人財の最適配置
  • リーダーの異動・交代
  • 外部の招聘
  • 若手の抜擢

まとめ

部門間対立の解消には、表面的な施策ではなく、組織の根幹に踏み込んだ改革が必要だと毎回感じています。この改革には確かに痛みが伴いますが、組織の持続的な成長のためには避けて通れないでしょう。経営層の強いリーダーシップのもと、組織構造の見直し、評価制度の刷新、そして人財の適切な配置を通じて、部門間の協働を促進する新たな組織文化を築いていくことになると思います。時間はかかりますが、解決するしかないと思います。

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