経験だけでは生き残れない

最近は、「ベテラン」という言葉が必ずしもポジティブな意味合いを持たなくなっています。特に若い世代の人たちの間では、長年の経験があるにもかかわらず現在活躍できていないベテランスタッフを「メッキが剥がれた人たち」と呼ぶことがあるみたいです。ここでいう「メッキ」とは、経験があるゆえに表面的には素晴らしく仕事ができる人のように見える状態を意味します。しかし、そのメッキが剥がれると、実は思ったほど仕事ができない人であることが露呈してしまうのです。

経験を持つベテランスタッフが、なぜ現在の職場で活躍できなくなってしまうのでしょうか。今回は、この現象の背景と対応策について考察します。

メッキが剥がれる理由

メッキが剥がれるには、理由があります。今回は理由を4つあげておきます。

1. 技術の急速な進化についていけない

時代は、かつてないほど技術の進化が速い時代です。特にデジタル・AI技術の発展は目覚ましく、今や多くの業界でAI、DX、クラウドサービス、データ分析などが当たり前のツールとなっています。実は、20年前に構想された進化が、現在から実現する時期になっているのです。そのため、急速な進化、急激な変化という表現は、今から当てはまる表現なのです。

こうした環境の中で、新しい技術への適応が遅れると、長年の経験があっても、実際の生産性は低下します。長年培ってきた知識やスキルが時代遅れとなり、「メッキ」が剥がれ始めるのです。

2. 変化への抵抗

「これまでのやり方で問題なかったのだから」という思考に陥りやすいのも、ベテランスタッフの陥りやすい罠です。長年の成功体験があると、それが逆に足かせとなり、新しいツールに対して消極的になることがあります。

しかし、ビジネス環境は常に変化しています。昨日の成功方法が、今日も明日も通用するとは限りません。変化を拒み続けることで、徐々にチームや組織の中での存在感が薄れ、「メッキが剥がれた」状態になってしまいます。仕事上、問題が発生していなくても、時間の経過とともに大きく後退してしまうのです。

3. モチベーションの低下

長い期間、同じ職場や同じ業界で働き続けると、モチベーションの低下も避けられない問題。同じような業務の繰り返しによる飽きが来ます。がんばったときは、燃え尽き症候群や、キャリアの頭打ち感を感じることもあるでしょう。年齢を重ねるにつれて、プライベートの優先順位が変わることも少なくありません。かつては仕事に人生のすべてを捧げていた人でも、個人の時間を重視するようになり、以前のような情熱を維持できなくなることもあります。50代に入ると、先行きを考え過ぎて、集中力が欠けるようになることもあります。

4. 組織文化の変化についていけない

最近の組織は、
・スピード
・柔軟性
・イノベーション
が重視される傾向にあります。ワークライフバランスなど、働く人の価値観も変化しています。かつては評価された経験や知識が、新しい組織文化では必ずしも重視されなくなることもあります。たとえば、昔ながらのトップダウン型のリーダーシップスタイルは、若い世代には響かない。しかも、それがマイナスになることさえあります。そのため組織のカルチャーフィットから外れてしまうのです。

メッキが剥がれないために:ベテランスタッフへの提言

では、「メッキが剥がれた人」にならないために、ベテランスタッフは何をすべきでしょうか。次のようなことがポイントだと考えています。

・継続的な学習
・学ぶ姿勢を維持する
・強みを再定義する
・変化を恐れない
・変化に挑む

「これまでのやり方」に固執するのではなく、常に「新しいスキル」「新しいツール」を探し続けることで、メッキが剥がれることなく、真の実力を発揮し続けることができるでしょう。

まとめ

「メッキが剥がれた」状態にならないためには、ベテラン社員も組織も、継続的な学習と変化への適応を怠らないことです。経験は確かに貴重な資産ですが、それだけでは未来は生き残れません。これは法則です。世の中は変化が常態であり、発展するのが避けられない流れなのです。変わらない法則を理解しながら歩んでいきましょう。

(下記動画は上記文章をAIで読み上げさせています。人の動きもAIが自動生成しており撮影はしておりません↓)https://youtu.be/WaJcnIeRqoY

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