これを創造せよ

マーケティングの世界では、新しいブランドが次々と生まれては消えていきます。そんな激戦の中で、なぜ一部のブランドだけが消費者の心に深く刻まれ、長期的な成功を収めるのでしょうか。ブランディングが成功していると長期的な成功になりますが、ブランディングという概念が抽象的なので、理解が進まないこともあります。ひとつの答えとして、
・「顧客が実際に気に留めるのは、新しいブランドではなく新しいカテゴリー」
という法則が当てはまるでしょう。今回は「カテゴリー」について取り上げてみます。

「顧客が実際に気に留めるのは、新しいブランドではなく新しいカテゴリー」
『ブランディング22の法則』(東急エージェンシー刊)
アル・ライズ著、ローラ・ライズ著

新しいカテゴリーの力

この法則が示すのは単純ながらも強力な真実です。消費者は「またひとつの新しいブランド(製品)」には関心を示さない一方で、「今までになかったまったく新しいカテゴリー」には強い関心を持つのです。象徴的なカテゴリーとしては、現在では当たり前になりましたが「スマホ」というカテゴリーです。ガラケーからスマホへ移行したのは、カテゴリーが移動したのであり、ガラケーを使っていた人が新しいカテゴリーであるスマホを認めたからです。スマホの次は何でしょうか。いくつか新しいカテゴリーが提唱されています。
・二つ折りスマホ
・VRグラス
など、新しいカテゴリーが出てきていますが、まだ多数の支持を集めるには至っていません。これから新しく提唱されるカテゴリーに移動する可能性もあるのです。ここでは、カテゴリーという視点で確認をしていくと発生事象の理由が理解できるでしょう。

成功事例から学ぶ

他にも新しいカテゴリーで成功した事例を取り上げます。

エナジードリンク

レッドブルは「エナジードリンク」というカテゴリーを確立しました。それまでにも清涼飲料水は存在していましたが、「エネルギーを与える飲料」という明確なカテゴリーを創造し、そのパイオニアとして消費者の記憶に刻まれています。レッドブルがスタートしたとき、マーケティングで参考にしたのは大正製薬の「リボビタンD」です。CMの骨格は同じですね。

なぜ新カテゴリーが消費者の心をつかむのか

新カテゴリーが機能する心理的理由はいくつか考えられます。同じカテゴリーで製品数が爆発的に増えたことが要因のひとつです。同じカテゴリーで製品数が少ないときは、2番手、3番手でもある程度販売できました。しかし、現在ではそれが通用しません。新しいカテゴリー以外は興味が持てないのです。刺激を感じないのでしょう。

まとめ

新しいカテゴリーの創設は、労力がかかります。しかし、新しいカテゴリーだからといって支持されるわけでもありません。ハズレるときは大きく失敗するでしょう。しかし、新しいカテゴリーを狙うことには意味があります。新しい市場を創造するからです。戦略の一部に「新カテゴリーの創設」を入れておくのも方法のひとつだと考えています。

(下記動画は上記文章をAIで読み上げさせています。人の動きもAIが自動生成しており撮影はしておりません↓)

——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazsine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆 from2011