組織の危険信号、スケープゴーティング

スケープゴーティングとは何か

職場環境において、真のリーダーシップと表面的な統制手法を見分けることは、組織の健全性を保つ上で極めて重要。特に注意すべきは「スケープゴーティング」と呼ばれる手法で、これは組織論において知られる危険な統制メカニズムです。この手法を用いて統率するリーダーは多く、よく見られる現象。今回は、そのメカニズムを解説します。

スケープゴーティングは、特定の個人を「悪者」として仕立て上げ、組織内の不満や問題をその対象に向けることで、一時的な団結を図る手法です。この手法を使用する人物は、自分に対する批判や不安を外部に転嫁し、「共通の敵」を作り出すことで周囲をコントロールしようとします。

パターンがある

スケープゴーティングの具体的な行動には下記のようなパターンがあります。
・特定の人物に対する組織的な無視や排除
・根拠のない批判や陰口の拡散
・意図的な孤立化と仲間はずれの促進
・問題の責任を一方的に特定の人物に押し付ける行為
です。

偽のリーダーシップの正体

この手法を用いる人物は、表面上はチームをまとめているように見えますが、実際には真のリーダーシップとは程遠い行動を取っています。真のリーダーは問題解決に向けて建設的なアプローチを取るのに対し、スケープゴーティングを行う人物は問題から目を逸らし、責任を回避することに専念します。そんなスケープゴーティングを用いる人の心理的背景は次のとおり。
・自分の能力や地位に対する不安
・正当な手段でのリーダーシップへの自信不足
・批判や責任から逃れたいという欲求
・短期的な統制効果への依存
です。ようするに弱い人なのです。精神的にも弱く自立していない。自信もない人なのです。また、自分に対する批判にかなり弱いのも特徴。自分に矛先が向かないように常に攻撃姿勢であることも共通点です。