影響が出ている
「建設業の2024年問題」という言葉を聞いたことはありますか。これは、2024年4月から建設業にも適用された「残業規制」によって引き起こされている課題。これが深刻な影響を及ぼし始めています。「未完了工事が15兆円超と過去最大規模に」という記事も出るようになりました。工事スピードが以前より遅くなっており、終わっていない工事が積み重なっているのです。
深刻化
建設業界ではもともと人手不足が深刻で、高齢化も進んでいます。そんな中で残業規制が導入されたため、一人あたりの労働時間が減少。これまでは残業でカバーしていた部分をこなすことができなくなり、現場の作業ペースが落ちています。一時的なスタッフで対応しようとする動きもありますが、十分な知識やスキルがないため、工事の品質維持にも影響が出始めています。そんなニュースも目にすることが多くなりました。初歩的なミスによる事故が増えていると感じます。
問題点3つ
まだ終わっていない工事の総額は過去最大の15兆円を超えている状態は尋常ではありません。 問題とされているのは次の3点です。
- 未完了工事が15兆円超と過去最大規模
- 建設就業者が10年で6%減少し477万人に減った
- 高齢化率が2割に達し、労働力の質的低下も懸念されている
スピード停滞
全国どこに行っても建設業は存在しています。しかも経済をまわす根本でもあるので、建設業が停滞すると経済も停滞することになります。建設できない工事が滞留することで経済の回転スピードも遅くなる可能性が高い。ただ、人手不足と残業規制を根本から解決する案は今のところ見当たらないのです。ロボット化するにしても現場では導入は進みませんし、建設業界に人が流れてくることも少ないのが現状です。
まとめ
未完了工事が過去最大という状況は、業界の歪みが出ている証拠。そこにチャンスがあると見ている人もいます。仕事があっても請ける会社がない状態だからです。仕事が薄くなっている企業が建設工事に参入すれば解決するのですが、技術力が必要な建設工事に他から参入するには壁が高い。そのため解決しない状態が続くのです。スキルがなくても参入できるようになるまで解決しないような気がしています。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazsine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆 from2011