景気のサイクルの順番

今回は景気のサイクルを考えてみたい。景気は循環すると言われています。そのため、サイクルの順番があるのです。たとえば、次のようなサイクルで動いていきます。

  • ①景気回復期(Expansion/Recovery):
    不況の底を打ち、経済活動が徐々に活発化し始める時期。雇用が増え、消費や投資が回復基調に乗ります。
  • ②好況期(Peak/Prosperity):
    景気が最も拡大し、生産、消費、投資が活発な時期。人手不足や物価上昇(インフレ)の傾向が見られます。
  • ③景気後退期(Contraction/Recession):
    好況のピークを過ぎ、経済活動が縮小し始める時期。企業収益が悪化し、雇用が減少する傾向にあります。
  • ④不況期(Trough/Depression):
    経済活動が最も低迷する時期。失業率が高く、消費や投資が落ち込みます。

ある程度の期間、一定の状態が続きますが、どこかのタイミングで次のステージに必ず移行していきます。ただ、どのタイミングで移行するかは正確にわかりません。予兆を見ながら推測するしかありません。以前の予兆がそのまま今回も当てはまるとはかぎらないのです。

景気循環の主な種類と周期について

景気のサイクルには周期説がいくつかあります。周期の年数が違うのです。代表的なものをピックアップしておきます。

  • キチン・サイクル(Kitchin Cycle):
    周期: 3~4年(約40ヶ月周期)
  • ジュグラー・サイクル(Juglar Cycle):
    周期: 約10年
  • クズネッツ・サイクル(Kuznets Cycle):
    周期: 約20年(15~25年)
  • コンドラチェフ・サイクル(Kondratiev Cycle):
    周期: 60年(長期波動)

まとめ

景気サイクルを知っていると、現在がわかり、将来を予想しやすくなります。好況期から景気後退へ移行しているときには、顕著にその事象が発生します。人手不足やインフレが起こり、その後にピークを迎えると消費減退から企業収益の低下、雇用の減少が発生していくのです。遠い将来は推測しやすいことだけはここで知っておいてください。そのつもりで、今から準備しておくことも戦略のひとつです。

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『経営情報Web Magazsine ファースト・ジャッジ』運営執筆 藤原毅芳(fjコンサルタンツ) from2011