評価への執着

リーダーが、評価に執着するのは必ずしもよい結果をもたらしません。リーダー自身の評価を気にしすぎるからです。そのためチャレンジから遠くなります。失敗したときのマイナス評価を気にしているからです。また、スタッフへの指示もリーダー自身の評価を前提とした内容になっていることもあります。結局は、リーダー自身の評価がプラスにならなければ動かないのです。このように、リーダー自身が過度な評価へ依存するのは、チーム全体の成績に影響してしまいます。その点を今回は考えてみたいと思います。

評価への執着がもたらす問題点

評価への執着は、チームワークを阻害し、創造性を抑圧する可能性があります。評価を得るために、
・リスクを避けた安全な選択ばかりをする
ことになり、新しいアイデアや革新的な発想が生まれにくくなります。また、組織全体の成長を阻害し、チーム全体の能力向上よりも、
・リーダー個人の成果に偏った行動
がうながされ、成長が停滞する原因となります。視点の方向性が外ではなく内にしか向いていない状態。それがリーダーにおいても発生するのです。

状況への対処法

対処法としては、自分の力で解決するのがベストだと感じています。
自身の評価に対する執着が、どのような行動につながっているのかを客観的に分析することからスタートです。固執することでマイナスが発生していることを受け入れることが求められます。
次に、チームメンバーの意見を深く理解し、積極的にプラス評価する姿勢を持つ機会をつくりましょう。

目標設定を見直し、個人の成果だけでなく、チーム全体の成長をうながすような目標を設定する方法もあるでしょう。指標は業績数字だけでなく、将来につながる活動も評価することを追加するのも有効な方法です。

まとめ

評価への執着は、リーダーシップの歪みを生む可能性があります。かなりの率で歪みが発生するのです。チームのため、と発言しているのに、結局のところは自分にメリットを集める行為などは信頼を損ないます。「あなたのため」「チームのため」という発言が多い場合ほど、リーダー自身が自分のことばかり考えていることもあるのです。なかなかわかりにくい領域ではありますが、スタッフは見抜いてしまいます。なので、リーダーは自分の評価への執着は横に置いておきましょう。

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『経営情報Web Magazsine ファースト・ジャッジ』運営執筆 藤原毅芳(fjコンサルタンツ) from2011