2.6%想定
来年度の国の予算情報が流れてくる時期になりました。ひとつ、気になるところを取り上げます。それは、「想定金利」です。国が発行している国債に関連するところであり、国の予算としては、「国債償還費」と「国債利払い費」に影響する部分です。ちなみに、2025年度の想定金利はご存知でしょうか。予算では、「2.1%」を想定として組んでいます。それが2026年度には、「2.6%」になるかもしれないのです。報道では、
- 想定金利
国債の利払い費を計算するための想定金利:25年度2.1%→26年度2.6%を軸に調整
と出ていました。「大きな引き上げ」と表現されています。
30兆円
また、国債費の計画が過去最大の30兆円前後になる見通しだと書かれていました。2025年度は28兆円なので、増加する予定です。2024年の税収は75兆円でしたので、75兆円の税収と国債費30兆円を比較すると、
・5:2
の割合になっているのがわかります。実際には、国の予算は110兆円前後なので、公債依存度は30%前後になります。財務省の資料(2024年資料)には、
・『我が国財政は歳出が税収を上回る状況が続いています。その差の多くは借金(建設公債・特例公債)によって賄われています』
と記されています。公債依存の体質が続いていることがわかります。
金利上昇続く
話は戻りますが、想定金利が上昇するということは、今後も金利上昇が続くことが予想できます。実際の物価の値上がり率から見れば、まだ低過ぎる金利という意見もあり、想定2.6%までは着実に上がっていくのではないでしょうか。その前提で来年を計画したいと感じます。企業経営にとっては、コストアップの要因にもなりますので、そのつもりで進めていくしかありません。
まとめ
現在、国債の金利はじわじわと上昇しています。特に長期の国債の金利上昇は取り上げられることも増えてきました。この流れは2026年も続きそうです。金利のある世界が戻りつつあるのです。金利がある世界は、すべてが成長しなければならない、という前提があることだけは頭に置いておきましょう。そうならなければ成立しないのです。現状維持では社会自体も維持できないのです。
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『経営情報Web Magazsine ファースト・ジャッジ』運営執筆 藤原毅芳(fjコンサルタンツ) from2011