動いてほしい

リーダーの方はメンバーに対して「行動してくれない」と嘆きます。できることなら、「動いてほしい」と思っているはず。営業の仕事をしている人は、顧客に対して「買ってほしい」「契約してほしい」と願っているはず。どれも、こちらから人を動かしたい、操りたいと思っているところがあります。これもまちがいではないのですが、うまくいかない。なぜなら、動いてほしい人の理解が不足しているからだと考えています。アプローチもちがう気がしています。

ホンネは

いつからか、「人を瞬間的に動かす」というニュアンスの書籍が増えました。個人的には違和感だけが残りました。なぜなら、自分はそうされたくないからです。人には、瞬間的に動いてほしいと願っていても、自分はそうされたくないのがホンネではないでしょうか。それなのに、瞬間的に動かしたいという欲求の方が先に来てしまうようです。目先の成績を気にするとそうなりやすい傾向にあります。

臨界点を超えると

人の心理と行動を考えたとき

  • 理解の量によって行動が変わる

と考えています。理解する量が一気に蓄積する人と、徐々に蓄積する人がいます。そのため、瞬間的に理解して動く人もいますし、徐々に蓄積が増えていき、臨界点を超えたときに行動に出る人もいます。理解から行動に至る期間には個人差があるのです。そのせいか、瞬間的に動いてくれた事例をもとに、こう伝えたら人は動く、と言っているような気もします。

論理をもとに

伝え方にポイントがありますをそれは、「論理的」であることです。口頭でも文章においても、内容が論理的であることが基本。振り返ると実感しますが、わかりやすい話や納得のいく文章は論理的になっています。

  • 論理的な内容が人を行動にかきたてる

リーダーの育成において「論理」の項目が入っているのは、チームをゴールに導くために必須なことがわかります。論理的な内容にするために、意識することは
・接続詞
を丁寧に使うこと。スピーチなどでは、原稿を事前につくり、接続詞をあえて使うようにすると、論理的な内容になっていきます。特に、「なぜなら」は、使う頻度を上げると伝わりやすくなります。自分では根拠や目的を伝えていると思っていても、相手には伝わっていないこともよくあることです。マニュアルを教えるときも、「なぜなら」を意識的に伝えることはポイントです。
・なぜルール化されたのか
・なぜルール化しているのか
を忘れずに伝えたいところです。

まとめ

このように考えると、人は操るという意識は持たない方がよいと思っています。操ることができたとしても、続かないからです。そうであるならば、理解を増やした方が、人は納得して行動し続ける。教育の原点はそこにあるのです。

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『経営情報Web Magazsine ファースト・ジャッジ』運営執筆 藤原毅芳(fjコンサルタンツ) from2011