減少の結果
米国の調査から20代前半の方の雇用が減少している結果が出ました。理由は、AIです。こうして調査結果からAIによる減少という事実が今後も出てくるのでしょう。厳しい現実ですが、時代の変化は着実に発生していることがわかります。
- AI 影響度高い職種で 22‑25 歳の雇用が約13 %減少
- 全体雇用は増加も、若年層の成長率は停滞/マイナス
- 自動化目的の AI 利用が雇用減少を引き起こし、補完的利用は影響小
- 企業・時点別ショックを除外しても同様の結果が得られる
- 賃金はほぼ横ばいで、調整は主に雇用側に現れる
- リモート可否、性別、産業除外等多数のロバストチェックでも結論は一貫
ファクト
実際の調査結果は次のとおり。
ファクト①:若年層の雇用が大幅に減少
AI に最も影響された職種(例:ソフトウェア開発者・カスタマーサービス担当)の22‑25 歳のエントリーレベル労働者は、2022 年後半以降 13 % 前後の相対的雇用減少 を記録。同じ職種でも経験年数が上がるほど(30 歳以上)雇用は横ばいまたは増加。
ファクト②:全体の雇用は伸び続けても若年層は停滞
経済全体では雇用は堅調に拡大しているが、AI 影響度が高い職種に限っては 22‑25 歳の雇用成長率が −6 %(2022‑2025 年)に対し、35‑49 歳層は +9 % 程度上昇。若年層全体の就業成長が鈍化している主因は、この「AI 影響度高」職種での雇用減少。
ファクト③:自動化型 AI の利用が雇用減に結びつく
Claude の会話データから抽出した「オートマティブ(自動化)」「オーグメンテイティブ(補完)」の分類で、自動化用途が多い職種 は若年層の雇用が減少。一方、補完的に AI を活用する職種 では若年層の雇用はむしろ伸びる傾向。
ファクト④:賃金変化は限定的・粘着的
年間基本給与(2017 年基準の実質ベース)は、AI 影響度や年齢層別でほぼ同様の推移。雇用減少に比べて賃金調整が小さく、賃金硬直性 が示唆される。
Canaries in the Coal Mine? Six Facts about the Recent Employment Effects of Artificial Intelligence
https://digitaleconomy.stanford.edu/publications/canaries-in-the-coal-mine/
まとめ
このように雇用から変化している現実は実際の転換を感じます。単に転換期においては、新しいスキル、新しい技術を自分たちに取り入れることだけなので、あまり深く考えず、その流れに乗ってしまうことでもあります。スマホが出たときも同じことが発生していました。スマホを導入したらいいのか。スマホを導入するリスクもあるのでは?と当時は考えた人もいるでしょう。しかし、現在スマホしかない状況なので、スマホ導入リスクを言う人はいません。今回も時間が経つにつれて同じような結果になっていくのではないでしょうか。
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『経営情報Web Magazsine ファースト・ジャッジ』運営執筆 藤原毅芳(fjコンサルタンツ) from2011