究極を考えると
経営者にとって、日々の経営は競争との戦いです。他社との価格競争、サービス競争、集客競争。常に他社の動向を気にかけ、息つく暇もない。毎日が仕事で気が休まることもない。
こうした消耗戦は、長く続くと、企業を疲弊させてしまうことになります。スタッフの士気を下げ、経営者自身の心も擦り減らしてしまう。このような状況下で、本当の意味で「継続的な経営」は実現できるのでしょうか。大きな課題です。
最近考える中で、継続的な経営のためには、競争の呪縛から解放されることが理想だと感じています。そう簡単な話ではありませんが、競争がない領域を全体の中で何%持てるかに焦点を当てることも必要ではないかと思っています。
他社と同じ土俵で戦い続ける限り、疲弊と消耗は避けられないのが現実。その現実の中で、理想を追い求め、競争のない場所で、自社の強みを活かし、独自の価値を創造し続けたい。今回は、そこに至るプロセスを考えてみます。
イノベーションが創り出す
結果からお伝えすれば、競争のない経営を実現する唯一の道は、イノベーションになります。
イノベーションは、単なる技術革新だけではありません。それは、他社がまだ誰も足を踏み入れていない新しい領域を創り出すことです。サービス面でまだ実現されていない領域は数多く残されています。そこを見つけ実現していく。そうすることで、誰もいない領域でビジネスを展開する。だから競争がない。競争がないから、ビジネスの楽しみも感じられるのです。安易な言葉ですが、そこに
・ビジネスの喜び
を感じることも増えるでしょう。経営の幸福を追求しても結局のところ、このイノベーションに落ち着くという考えもあるので、答えは同じなのかもしれません。
まとめ
経営で喜びを感じるためには、イノベーションが優先です。大きなイノベーションを起こすのではなく、小さなイノベーションを発生させることです。
・他社ができないこと
・他社がやっていないこと
にこだわるのです。製品開発というより、サービス開発の方が取り組みやすいと考えています。小さなイノベーションの積み重ねが、最終的には、他社との差別化として見えてくるのでしょう。
イノベーションは、終わりのない競争の消耗戦から企業を解放し、独自の価値を創造できる経営の自由度を高めます。そして、この変革は、組織全体のブレークスルーをうながし、企業を本当の意味で幸せで、持続可能な成長へと導くと最近は感じます。あくまでも理想なので、すぐに実現するものではないと思いますが、最終形を知っておくことは大切だと思います。
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『経営情報Web Magazsine ファースト・ジャッジ』運営執筆 藤原毅芳(fjコンサルタンツ) from2011