「クネヴィン・フレームワーク」とは

現代の環境は、変動性、不確実性、複雑性、曖昧性(VUCA)に満ちています。このような状況下で、過去の成功体験や問題解決法に頼ることは、大きなリスクとなってしまいます。そこで役立つ思考法のひとつが、「クネヴィン・フレームワーク」です。状況を正しく理解し、最適な打ち手を導き出すための思考法になります。

直面する状況を
「単純」→すぐに対応方法がわかる
「煩雑」→分析するとわかる
「複雑」→分析してもわからない
「混沌」→危機的状況
「無秩序」
という5つの領域に分類します。それぞれのドメインは、原因と結果の関係性がどの程度明確かによって定義されています。そのため状況や環境を分類することができるのです。分類した後は、状況の性質に応じて取るべきアプローチの精度が高くなるのです。

通常のケース

通常のビジネス環境においては、
・単純
・煩雑
が出現する程度です。煩雑さというのは、瞬間的には理解できない現象も
◆分析すると理解できる
範囲です。発生したことの裏側にあるデータを記録することで見えてくるケースがほとんど。

困るのは、分析してもわからないとき。これは
・複雑
な状況です。原因が不明。解決できないケースになります。もしくは、解決法が見えてきたのだが、実施には解決せず、振り出しに戻るケースも複雑な状況に入るでしょう。

分類すると見える

このように事象を分類することで、現在の環境や状況がどの程度のレベルなのかが客観的に理解できます。段階に分けられていると、チームの中の会話も共通認識のもとに話し合いをすることができます。今回は、「複雑」レベルのことを話し合っているのが分かれば、答えの導き方も共通意識がはたらくでしょう。安易な発言が減り、深く考えながら話し合いができるはずです。

まとめ

クネヴィン・フレームワークは、あらゆる問題に通用する万能な解決策は存在しないことを教えてくれます。リーダーは、直面している状況が5つのドメインのどこに位置するのかを冷静に見て、それに適した思考法とアプローチを使い分けるのが理想。このフレームワークを軸として活用する習慣を身につけると、冷静な判断ができるようになっていきます。

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