「背中で語る」
「口で言うのは簡単だけど、実際にやるとなると難しい…」仕事をしていると、そんな場面に遭遇することがよくあります。特にチームを率いるリーダーの立場にある方は、日々、メンバーをどう動機付け、どう成長させるかに頭を悩ませているでしょう。そんなときに意識してもらいたいことがあります。それが、
・「リーディング・バイ・イグザンプル(Leading by Example)」
です。日本語で表現すると「率先垂範(そっせんすいはん)」になります。
率先垂範という単語は30年ほど前には使われていました。最近では聞くこともない単語であり、率先垂範と発音しても、わかってくれる人はいません。ただ、海外でも同じような言葉があるので取り上げます。
リーディング・バイ・イグザンプル(率先垂範)とは何か
「リーディング・バイ・イグザンプル(率先垂範)」とは、「人の先頭に立って、自らの行動をもって模範を示すこと」を意味します。口頭で指示を出すだけでなく、リーダー自身がその言葉通りの行動を実践することで、周囲に「見本」を示すリーダーシップのスタイルです。想像してみてください。
- 「早く出社しろ」と言うリーダーが、いつも一番遅く来る
- 「この書類は丁寧に作れ」と言うリーダーの資料がいつも雑
- 身の回りは綺麗にしておけ、と言うリーダーの机の上がいつも綺麗ではない
これでは、誰もついていこうとは思わないでしょう。一方、
- 困難なプロジェクトのとき、だれよりも早く現場に行き、最後まで対応するリーダー
- スタッフがミスをしたとき、決して責めずに「次はどうすればいいか、一緒に考えよう」と寄り添うリーダー
このようなリーダーの姿は、心に深く響き「この人についていきたい」という気持ちにさせてくれるはずです。
なぜ今、リーディング・バイ・イグザンプルが重要なのか
リーダーがリーディング・バイ・イグザンプル(率先垂範)を実践することで、チームにもたらされるポジティブな効果は計り知れません。次のような現象が発生していくのです。
- 揺るぎない信頼関係の構築ができる
リーダーが言葉だけでなく行動で示すことで、「この人は口だけではない」という信頼感が生まれます。特に困難な局面で、リーダーが逃げずに立ち向かう姿は、スタッフの心に深く刻まれます - チームの士気とモチベーションの向上
リーダーの妥協しない姿勢は、チーム全体に伝播します。目標達成へ最後まで妥協しない人なんだ、ということが伝わることで、メンバーは「やりきろう」と自発的に動き出します
まとめ
言葉よりもリーダーの行動が、チームの未来を形作ります。リーダーが忘れてはいけない部分です。プレイングマネージャーが主流の時代。このようなリーディング・バイ・イグザンプル(率先垂範)のリーダーが求められています。現場力があるリーダーであり、現場の解決ができるリーダーでもあります。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆
