AIがあれば、自分用ツールを「作る」時代になる

AIツールの方向性が、ようやく明確に見えてきました。それは、既存の便利なサービスを使いこなすことではなく、「自分用ツールを好きなだけ作れる」という点にあります。体験し体感するとすぐにわかります。「えっ、こんなツールが作ることができるの」と驚くことになるでしょう。

これまでは、業務上の課題が発生すると、解決できそうなSaaSやアプリを検索し、比較検討し、導入するというプロセスが必要でした。しかし、どれも「不完全」で、完全に自分のワークフローにフィットするものはほとんどありません。結局のところカスタマイズが必要なのです。結果として、人間側がツールの仕様に合わせるという、本末転倒な状況が起きていました。

しかし、AI(特にコーディング能力の高いLLM)が手元にあれば、状況は一変します。最近の流行りの言葉では「バイブコーディング」と呼ばれる領域です。

「自分専用デジタル工房」を持つ意味

AIを活用することで、自分専用のデジタル工房を持つことになります。しかも自動で作ってくれます。パソコンを立ち上げたら、作業をしながら、裏側では自分専用のツールをつくるのが普通になるでしょう。ツールが増えていけば確実に生産性は向上しますし、仕事をこなす量も無理なく増えていくので、楽しくなっていくはずです。

使い捨てアプリも

市場規模が小さすぎて企業が開発しないような「使い捨てアプリ」を、必要なその瞬間に生み出すことができます。たとえば、毎日のタスク管理表や、売上シミュレーション、など考えるだけで多岐にわたります。

フリーソフト、無料アプリのような単機能な内容のものが、10分で作って使い、不要になれば捨てる。そんな贅沢なツールの使い方が可能になるのです。エクセルに数式を入れて利用する感覚でアプリが作成できるようになっています。

生産性は「与えられるもの」から「自作するもの」へ

これからの時代、生産性は誰かが提供してくれるツールによって向上させるものではなく、自分で上げていくのが「普通」になるでしょう。「不便だな」と感じた瞬間にAIに指示を出し、その場で解決ツールを実装する。午前中に思いついた業務改善のアイデアを、昼休み前にはプログラムとして形にし、午後から実戦投入する。このスピード感と柔軟性こそが、今後の個人の競争力になります。やってみると分かりますが、単純なアプリであっても自分にとっては、「とても面倒な作業が減る」ことの快感を生み出します。これは他の人にはわからないかもしれません。

まとめ

AIという強力なパートナーを得て、ようやく「ツールに使われる」側から、「真の意味でツールを使いこなす」側へとシフトしようとしています。このパラダイムシフトはすぐに普及するでしょう。自分で使うアプリは、さほど神経質につくらなくてもいいので、とてもシンプルな内容でも問題ありません。自分専用というだけで価値があるのです。ここもはやく気がついた人が先に行きそうです。

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