本来の機能を解き放つ時が来た

1995年のWindows95の爆発的人気により、ノートパソコンを個人で購入した記憶があります。SONYのVAIOでした。そこから30年が経ちます。実感するのは、どこでも情報を取り出せて仕事ができる環境になったこと。しかし、これが本来の姿なのでしょうか。最近、そこに疑問が出ています。

なぜなら、人はコンピュータに合わせて仕事をしてきました。操作を覚え、計算機として使う。資料を作成する。メールをする。これは単に「オペレーター」として、機械の世話をしている状態に他なりません。本来の機能をフル稼働させていないと感じています。

今は、この主従関係は逆転。「人間が指示し、機械が合わせる」という本来あるべき姿が実現しようとしています。

設計思想への回帰

コンピュータはもともと、人間の神経系や脳の機能を模倣・拡張するものとして構想設計されました。しかし、これまでの30年は、その理想に対しインターフェースが追いついておらず、単なる「高速な計算機」としての役割に甘んじていたと感じます。

人間が思考し、その結果を指先で一つひとつ入力する。このプロセスでは、人間という最も処理速度の遅いデバイスがボトルネックとなり、マシンの強大な計算能力はほとんどアイドリング状態にあったのではないでしょうか。

オペレーターからマネージャーへ

この変化は、ビジネスにおける役割分担を劇的に変えます。これまでスタッフは、システムへの入力や定型業務といった「処理」に多くの時間を割いてきました。しかし、本来「処理」はコンピュータの領分です。人間がやるべきは、目的を定義し、最終的なアウトプットを承認することだけのはず。それが実現しつつあるわけです。

仕事の内容が変化していく。特に定型業務は大きく変わる。その方向性が見えたのです。

パソコンを単なる道具としてではなく、優秀な「エージェント(代理人)」として扱う。

「このデータを分析して」

「このテーマで記事の下書きを作成して」

答えは「自動化」

目的だけを指示し、思考のプロセスそのものをパソコンに投る。人間は上がってきた成果物をチェックし、意思決定を行う「マネージャー」の役割にシフトすることになるのです。これはすべての人がそうなるでしょう。時間をかけて移行することになりますが、そうなっていくのです。

従来の手順を記述するだけの自動化とは異なり、今後の自動化は「自律的な判断」を含みます。人間がプロセスに関与せず、機械が自ら考え、試行し、最適解を出力する。その仕組みを個人が構築できる世界です。そのため実現が見えてくるのです。

まとめ

おそらく今回の内容はツールを見ないと想像できないのかもしれません。ただ、その方向に進んでいることだけは実感しておいてください。

——————————-
スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳 運営 執筆