毎回導入の話ばかり
DXの部署ができて、DXの担当が配属された。そうすると社内のデジタル化、DX化が進んでいきます。業務上の課題を、まず「どのSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)を導入しようか」と考えていくのです。
・勤怠管理ならこのサービス
・顧客管理ならあのツール
・タスク管理なら定番のアプリ
課題があれば、それを解決してくれる既存のサービスを探し導入していきます。
しかし、懸念点もあります。新たなサービスを導入する話ばかりになるのです。担当の方は、
・SaaS型サービスを探す
・説明を受ける
・導入稟議をする
・導入作業をする
を繰り返しています。その都度、SaaS型サービスが1個ずつ増えていく感じです。大手企業では、10個以上のSaaS型サービスが導入され、最後には、減らしたエピソードも出てきています。
このプロセスが変わりつつあります。
変わった
この3ヶ月で、世の中のDX担当者の思考が明らかに変わってきています。以前は、SaaS型サービスを探し、導入するのがが当たり前の発想だったのです。
ところが今は、
・「自分でつくってしまえばいい」
と考えるようになっています。最初に自作できないか、を考えるようになったのです。思考プロセスの変化です。
AIの進化によって、プログラミングの専門知識がなくても、自分の業務に合った仕組みを自分でつくれる時代になりつつあるからです。完璧なシステムでなくていい。自社の業務フローにぴったりはまる、ちょっとした仕組みをAIの力を借りてつくる。この「導入から自作へ」という発想の転換は、経営のあり方そのものを変える可能性があると感じています。
SaaS導入「完全に合わない問題」
SaaSは便利です。すぐに使い始められ、自分で開発する手間もかかりません。しかし、導入してみると「微妙に合わない」という壁にぶつかることが少なくありません。機能が多すぎて使いこなせない、自社の業務フローと噛み合わない、欲しい機能がオプション料金になる、カスタマイズの自由度が低い。結局、SaaSの仕様に業務を合わせることになり、本末転倒な状態に陥るケースもあります。
高機能なSaaS型サービスほど、使い方がわかりにくい。どうしても、複雑に見えます。簡単に操作できるものはほとんどありません。
さらに、月額のサブスクリプション費用は積み重なると決して小さくありません。一つひとつは数千円でも、複数のサービスを導入すれば年間で相当な金額になります。
まとめ
「どのSaaSを導入しようか」から「自分でつくることができるのでは」の転換は徐々に広がるでしょう。ひょっとするとDX担当の方以外から発生するケースもあるでしょう。
この思考の変化は、AIがもたらした最も実践的な恩恵のひとつ。広告関係は「内製化」が当たり前になっています。広告代理店の市場が急に縮小しているのを見ると「内製化」が普及しているのを感じます。
今後は、導入より自作という発想でDX化、AI化を広げていく段階に入ったのを実感しています。この方向性は外せないポイントです。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ 藤原毅芳(fujiwara takeyoshi) 運営 執筆
