グローバル企業の考え

下記ジャーナリストの予想の内容がリアルな姿なのでしょうか。トヨタ自動車が日本を諦めつつある、と書いてあります。日本ではカーボンニュートラルなどが理解されていない。理解されないのなら理解してもらえる場所に移動していくとあります。2022年12月にトヨタ自動車タイ60周年記念イベントに招待されたジャーナリストが感じた内容です。

トヨタは既に日本を諦めつつある
日本のマスコミと日本の政治家相手に、真面目にカーボンニュートラルを進めようとしても、どうせ理解されないし、ディスられてエネルギーロスし、消耗する。意味がないし労力がもったいない。だったら、トヨタの努力を本当に喜んでくれて一緒にカーボンニュートラルに取り組んでくれるタイと一緒にやる方が、双方に幸せなんじゃないだろうかという気持ちが、豊田章男社長の根底にある。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2301/01/news013_2.html

トヨタ自動車は、米国とタイにヘッドオフィスを設けるのではないか、と予想しています。日本では形だけ残るが実質の経営は海外移転する可能性があるということです。まわりが気がつかないうちに実質の海外移転が終了しているなんてことも発生しそうです。

もともと生産が海外移転

拠点を移動することができるのは、もともと生産拠点を海外に移した実績があるからです。(14の生産会社がある)日本からの輸出では貿易摩擦の対象になりやすいので海外に生産拠点を移動してきました。最近では為替の影響も少なく、販売したい国で生産も行うことが定着してきたのです。そのため、日本から脱出することも可能な状態になっていると思われます。

1960年代からCKD輸出圏を拡大し、タイ、フィリピンなどに進出し、現在タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシアなど、14生産会社を有している。
2004年(平成16年)から始まったIMV*では、タイ、インドネシアが南アフリカ、アルゼンチンなどと並ぶグローバル生産拠点となり、輸出も推進している。また、インドネシア、タイ、フィリピン、台湾、ブルネイ、ベトナムの6カ国でトヨタ車のシェアは1位となっている。

https://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/data/automotive_business/sales/activity/asia/index.html

交渉のカード

トヨタ自動車が日本から出ていくのかはわかりませんが、海外移転という交渉カードをトヨタ自動車が持っているので今後は国に対してある程度の要求をしていくのではないでしょうか。対応が遅ければ本当に海外へ移転すると思います。日本にいるメリットがなければ経営の中枢である頭脳が流出していくことになるでしょう。

まとめ

経営は可能性を追求することであり、メリットがあることを探す作業でもあります。制約なしで発想していくのでグローバル企業が本拠地を自由に移転させることは普通のことです。日本では事例が少ないだけです。ただ実際に本拠地が海外に移転すれば周辺への影響は大きいでしょう。今後も目が離せない領域です。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆