リスクに関する関心度の差

リスクマネジメントについて考えるとき、いつも感じることがあります。リスクマネジメントについての関心度が高い低いの差があることです。どこまでリスクを想定しているのか、リスクを想像できるのかの違いがあるのだと感じます。では、なぜ想定する範囲のちがいがあるのでしょうか。

経験から得られる想定範囲

人によっては経験の差があります。リスクを感じた経験があるのか、ないのかによって差ができているのです。「リーマンショックの後は、本当にしんどかった」という感想を何度聞いたことでしょうか。こうした経験をリーダーとして体験した人はリスクに対して敏感になっています。当時、リーダーとして突然の困難に衝突したからです。まさかのできごとに対して対処しなければならない経験がその後のリスク想定範囲を広げているのです。

その一方で

その一方で、突然の困難の体験がほとんどない場合は、リスクの想定範囲が狭くなります。それが普通です。経験がないので、どうしてもリスクを想像できないのです。「そこまでのことは発生しないでしょう」といった気持ちになっているはずです。これもある意味正常な状態なのかもしれません。

かもしれない

自動車運転の場合、「・・・だろう」運転ではなく「・・・かもしれない」と考えるように教えられます。見通しのわるい十字路では「車が来ないだろう」ではなく「車が来るかもしれない」と想定するように教えられています。これが基本だと感じます。リスクに関しても、「そんなことは発生しないだろう」ではなく「そんなことも発生するかもしれない」と思えるかどうか。そこにかかっていると思います。

なぜ考えるのか

なぜリスクマネジメントについて考えているのか。それは、今後想定されるリスクが大き過ぎる内容ばかりだからです。そんなことは発生してほしくありませんが、経済状況を見ていると想定が高リスクな内容へと変化しているのを感じます。しかし、すぐに発生するのかは分かりません。2024年、2025年、2026年を想定している内容もあり、そこは不確実です。しかし、永遠に発生しないとは誰もが断言できないのも事実です。

まとめ

最悪を想定すれば楽観的に生きることができる。そう考えています。何も想定せず楽観的に生きる方法もありますが、突然のことが発生したら驚愕してしまうでしょう。最悪を想定していれば驚きはあまりないと思います。今年2023年は関東大震災100周年の年なので自然災害対策のニュースが多いように感じます。出張や旅行に出かけるときも準備だけはしておきたいと思います。

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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆