リーダーとして
「任せた」という言葉は、リーダーからスタッフへの信頼の表れとも捉えられますが、同時にその背後には多くの不安や疑問が隠れていることもあります。今回は、「任せた」と言われたときのリーダーの意図や、スタッフとしての適切な対応について考えてみたいと思います。
リーダーの意図は
多くのリーダーは「任せた」と言うことで、スタッフに自ら考え、行動する機会を与えたいと考えています。これは教育の一環として、またスタッフの成長を促すための手法として有効ではあります。しかし、その範囲や権限が明確でない場合、スタッフには不安や迷いが生じることもあり、教育の機会ではなくなる可能性もあります。任せただけでゴールまで到達できるスタッフにとっては自由に活躍できる機会でありチャンスですが、そうでない場合は、単なる苦痛となることさえあります。苦痛を感じるスタッフにとっては結果も出ないことがあり評価を下げる機会になってしまう可能性を否定はできません。
不安を感じたときの対応法
スタッフ側で不安を感じたときは次のような対処があります。
- 明確な質問をする:
「具体的にどの範囲で進めてよいのか」や「どの程度までの権限を持って進めることができるのか」といった質問を遠慮せずにリーダーに伝えること。そこから明確なビジネスプロセスが見えてきます - 進捗の報告:
定期的に進捗の報告を行い、リーダーとのコミュニケーションをとることで、方向性を確認しながら進めること可能。ときにはフリーズすることもあると思いますが、そのときは5分以内にアラートをリーダーに発信する、といった取り決めも有効です。わからないままで進めない、ということはルール決めしておきたい部分です。
やりすぎを防ぐために
過度な状態まで進まないようにするには、次のような手段も取ることができます。
- リーダーとの定期的なミーティング:
期間を定めて、進捗や課題を共有し、リーダーの意図や期待値を再確認すること。任せた、と言う背後にはいくつかの意図があるはずです。その意図があるという前提で接することです - 自らの判断の範囲を確認:
どこまでが自らの判断で、どこからがリーダーの承認が必要か、明確にすることで、やりすぎのリスクを減らすことが可能です。この権限の範囲をあいまいにするのが文化の企業もあり、明確にしたがらないこともよくあります。しかし、今後は権限の明確化は避けられそうにありません。
まとめ
「任せた」という言葉は、スタッフにとっては成長のチャンスであると同時に、課題や不安を抱えることもあります。しかし、積極的なコミュニケーションと継続的なフィードバックを通じて、リーダーとスタッフがともに成長していく道を築いていけるでしょう。チームビルディングが可能になると思います。
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スキマ時間に読めるビジネスリーダーのための『経営情報Web Magazine ファースト・ジャッジ』fjコンサルタンツ藤原毅芳執筆