ブームを振り返る
ここ数年のブームを振り返ります。急激に拡大した領域が2つあり、そのうちひとつは急減しています。店舗なので誰の目から見てもわかりやすい事例だと思います。ひとつは「高級食パン」で、もうひとつは「冷凍餃子無人販売」です。まわりを見ても、新規事業として進出した経営者を何人も知っています。現在も継続されているのは半数以下。急増するブームは急減するタイミングもはやいことを実感します。
ブームの要因
ブームには原因があります。高級食パンブームの勝因は次のとおりです。
- 高級食パンという話題性
- 2斤1000円前後という高額商品で差別化
- ギフト需要
- メディア露出(話題性)
フランチャイズで広がってグループもあれば、最初のコンセプト作りだけのグループもあり、参入障壁は低かったようです。ただ参入時の投資金額は決して安くはありません。ブームに乗って拡大したとき、パン業界の人の意見では「2年後か3年後には撤退が多くなり、機械が市場に放出されるだろう」と言っていたのを覚えています。その通りに推移したことは事実です。
冷凍餃子無人販売ブームの原因についても考えてみると次のとおり。
- 在宅続きの状況
- 手軽さと利便性
- コスト優位性
- 参入障壁低い
- メディア露出
こちらも参入障壁が低いのが要因で急増しました。店舗は販売だけなので、冷凍ケース設置のみ。数百万円で店舗が完成するのが強みだったのですが、参入が相次いだのも事実です。現在では外へ出る自由が戻ったので、ブームは去ったようです。
環境変化
上記2つの分野は、環境の変化によってブームになり、その変化が戻ったところで飽きられてしまったように見えます。環境変化によってブームになったときは、その環境が継続するのかは見極めたいポイントです。一過性の環境変化は戻ることがあるからです。先読みの力を試される領域です。人は現在のことに関心があり、将来のことは不確実性が高いので関心が低いか、予想をしません。そのため、目先の状況に左右されることがここからわかります。
まとめ
ブームに乗ることは悪い選択ではありません。ただ、継続性の要因を持たせることがカギになります。途中からでもいいので、差別化ポイントを打ち出さなければなりません。ブームになったものは、異業種からの参入が多いので、競争過多にすぐなってしまうのです。その後は、競争優位性をどのように持たせていくのかがポイントです。そこまで考えてから参入するのがベストでしょう。
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