左右する
経営者の決断を大量に見てきた中で、ある傾向に気づいたときがあります。経営における決断は、情報がそろわない状態で決断をしなければなりません。不明瞭、不確定な状態で決断することが多々あるのです。そんな中で、何が影響しているのか。いつもそのことが気になっていました。今回は、その中でも「余裕がある状態での決断」と「余裕がない状態での決断」で考えてみます。
一因
経営の現場では、先が見えないときに決断を求められることがあります。霧の状態であったり、雨が降っている状態の視界不良な環境で先を見通せと言われるのです。そんな中で、ある経営者の決断は成功し、別の経営者の決断は失敗に終わるのか。そのカギを握るのが「(自分の)余裕」が一因だと考えています。
あるとない
余裕がある状態での決断は、以下の特徴があります。
- 選択肢が多い
- 決断のタイミングを選べる(決断の締切がない)
- 冷静に判断できる
- 直感が鋭く働く(頭が冴える、回転が速い)
一方、余裕がない状態では
- 選択肢が限られる
- 慌てて決断せざるを得ない
- 感情的になりがち(激しい思い込みに陥る)
- 本来選ぶべきではない選択肢を選んでしまう
このような2つの局面に分かれていると思っています。そのため、余裕がない状態で下した決断は、正答率が低くなる傾向にあると思います。実際、経営者から決断の結果を聞いたとき、決断内容で判断するのではなく、決断したときの状態を確認することもあるくらいです。切羽詰まった状態で決断すると、やはり迷いも入り込んでおり、ブレが生じます。正答率が下がるのも無理がないのです。
確率を高めたい
決断によって経営が左右するので、経営者の判断はとても重要。思いつきや思い込みで決断すべきではありません。冷静さを保ち、客観性を持っておくと決断の正当性た高くなります。そのためにも、自分の余裕を理解しておくといいのではないでしょうか。現在の状態が「余裕がある」「余裕がない」のどちらなのか。それだけでもわかっておくといいでしょう。また、体調によって決断ばブレるのであれば、体調を整えることも大切。頭が冴える状態を保つことも求められることなのです。
まとめ
経営者の決断を極めていくことは永遠の命題です。経営を学ぶとき事例研究ばかりするのも、決断の正答率を上げるためです。不確実性が高い状態で決断の正答率を上げるには事例を知り、余裕のある状態で決断しておくのが理想なのです。
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