未解決に挑む喜び
答えが明確で、解決策が既知の問題に取り組むことに安心感を覚えます。答えが見えているときほど、ストレスなく取り組むことができます。快適な時間が過ぎている感じです。しかし、本当に価値があり、心躍る挑戦とは、まだ誰も答えを見出していない問題に立ち向かうことではないかと感じるときがあるのです。快適な時間に飽きてくると、人は違う領域を求めることがあるからです。
答えのない世界の方が
答えが出ないことはストレスの源となることが普通で、仕事においては避ける人もいるくらいです。学生時代のテストは必ず解答が存在していたので、その回答まで導くことをゴールとしていました。解答を見て、プロセスを導くこともできたのです。
しかし、世の中には、まだ誰も解決したことのない課題もあります。経済を見ているとそんなことをいつも感じます。過去とは違う環境下で課題が発生していると過去の解決方法では解決できるかどうかさえわからないのです。世界の頭脳が集結しても解決できないことがあり、意見も大きく違う分野だと感じています。正反対の意見が衝突する専門分野はあまりないので、その点は興味深い現象です。
研究者の情熱
学者や研究者の方々が、何十年もの間同じテーマに取り組み続けるには理由があります。未知の領域に足を踏み入れ、誰も行ったことのない探求を行っている。その過程で直面する困難や挫折さえも喜びになっているのでしょう。乗り越える楽しみを感じているようにも思えます。学者の方が語る姿はおとなしくても、ときどき興奮気味に説明されているのを見ると、よほど楽しいことが発生しているのでしょう。
最近でも「睡眠」について研究している方の話を見ていましたが、新しい発見があると楽しそうに説明されていました。睡眠時に何をしているのか、今でもよくわかっていないそうです。短期記憶から長期記憶に移動させているらしい、という予測はあるのですが、確証はないようです。また、睡眠があると身の危険にさらすことになるのですが、なぜ睡眠を必要とするプログラムにしたのかが理解できないようです。また、短眠の人がいますが、それは成立しないとはっきり言われていました。睡眠は一定の時間、必要なのだそうです。
ビジネスにおける未解決の課題
この考え方は、ビジネスの世界にも当てはまります。多くの起業家や革新的なビジネスリーダーは、既存の解決策に満足せず、新たな問題に挑戦し続けています。たとえば、イーロン・マスクのSpaceXは、「再利用可能なロケット」という、それまで不可能と思われていた課題に挑戦しました。多くの失敗を経験しながらも、その過程を楽しみ、最終的に再生利用ロケットを実現しています。
未解決の問題に
未解決に取り組むときは、いつもとちがう姿勢で臨むことになります。
- 好奇心
答えが見つからないことを恐れるのではなく、その状況を探求の機会としてとらる - プロセスを楽しむ
目標達成だけでなく、そこに至る過程から学びを得ることの重要性を認識する - 失敗を恐れない
未知の領域では失敗は避けられません。それを学びの機会として受け入れる姿勢をもつ - 柔軟な思考
固定観念にとらわれず、多角的な視点で問題を捉える努力を。どのようなアイデアもばかにせず - 粘り強さ
即座に答えが出ないからといって諦めないこと。長期的な視点を持ち長期的に取り組む予定で
未知への挑戦
ビジネスであれ研究であれ、未解決の問題に取り組むことは、大きな喜びと成長の機会をもたらします。それは単なる問題解決以上の価値があります。それは、自己の限界を押し広げ、世界の理解を深め、そして時には人類に貢献する機会となるのです。この楽しさを伝える人が増えるのが理想です。ビジネスの場合、楽しさを語る人が少ないと感じます。しんどさにフォーカスし過ぎなのではと感じるときもあります。
まとめ
未知の課題に取り組むのは、ビジネスの場合、1割から2割程度の労力を配分することになります。それが未来への投資であり、研究開発になります。解決できるかわからないことに取り組んでいるかどうかは、企業の姿勢として将来性を測定する指標になるでしょう。大きく飛躍する可能性があるかないかの分岐点になるからです。意識しておきたい部分です。
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