スマホで読んでいる

ある研究で、スマートフォンでの読書が紙媒体と比べて理解力(読解力)の低下をもたらすことが明らかになりました。その原因として、意外にも「ため息」が関係しているので興味が出てきたので取り上げてみます。なんとなく、スマホだと読解力が落ちる気がしていたので、研究で明らかになったことをまとめていきたいと思います。

研究内容

研究内容は次のとおり。

■研究の概要
この研究では、健康な被験者(34人:20代)を対象に、スマートフォンと紙媒体での読書時の呼吸と脳活動を測定しました。結果、スマートフォンでの読書は紙媒体と比べて以下の特徴がある

  1. ため息の回数が減少
  2. 前頭前皮質の過活動を引き起こす
  3. 理解力の低下につながっている

このように読解力が低下している事実と、ため息が減少している数値が出たのです。(通常の呼吸には影響していない)

なぜ

なぜ、ため息の回数が関係しているのでしょうか。ため息は通常の呼吸とは違い、深い呼吸となります。おおよそ通常の呼吸の2倍。ため息は単なる退屈の表現ではありません。脳の活動をいったん休める機能があるとされています。ため息によって頭の活動を軽くリセットしたり、休めたり、まとめたり、整理したりするのでしょう。それが理解力(読解力)へとつながっているのです。

スマホの場合

ということは、スマホで読書する場合は、注意しておくことです。意識的に深い呼吸をすることもひとつの方法でしょう。かなり難解な書籍を読むときはメモを取りながら読む方法もあります。スマホの場合なら、メモ帳アプリに音声入力するといいでしょう。そこで理解力が深まります。考える時間を確保できるからです。

まとめ

ブルーライトは目に良くない、と言われています。液晶画面はバックライトが光っており、目に光が入ってくる構造です。紙の読書は、光が書籍(ページ)に当たり、それを目で読んでいます。目に入ってくる光の種類が違うのです。そのため思考回路も違うと言われてきました。今回の研究では、スマホと呼吸に焦点が当たっています。そこでも同じようなことが言えるのではないでしょうか。スマホの液晶を見ているときは、興奮状態が続いてしまう。そのため呼吸も瞬きも忘れてしまう。寝る前に見ると寝られなくなるのも、液晶が要因でしょう。この特性を知らないと損をしてしまうかもしれません。特性を知り攻略することだと感じます。

Reading on a smartphone affects sigh generation, brain activity, and comprehension
https://www.nature.com/articles/s41598-022-05605-0

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