データ資産が切り開く

生成AI技術の出現から、ようやく普及期に入ってきました。たとえば、こんなコンテンツが出てきたのも、普及が広がっているのを感じさせるできごとです。パナソニックHDとPHP研究所の開発による「松下幸之助氏」再現AIです。PHP研究所創設者、松下幸之助氏の理念継承を目的とした取り組みです。いずれ出てくるだろうとは思っていました。それが実現されつつあります。このコンテンツの出現による、ビジネスモデルの変容を考えてみたいと思います。

先進的な取り組み

創業者の知見や経営哲学を最新のAI技術で継承・発展させようとするこの試みは、デジタルコンテンツの新しい活用方法を示唆しています。特に、以下の点で意義を持つと感じています。想像のものが出てきた感じはしますが、その有効性は高いと思います。

  • 組織継承における新手法
  • AIとの対話を通じた双方向的な学習体験
  • デジタルトランスフォーメーションの新しい普及

デジタルデータの将来価値

生成AI時代において、過去のデジタルコンテンツは新たな価値を生み出していくと予想しています。埋もれていたデータが価値を発生させ、収益につながる可能性が高いのです。単なるリバイバルではなく、内容の濃いコンテンツは時間や時代を超えて活躍する時代へと変容しているのです。業界によってはビジネスモデルも変容するのは見えてきました。大きく変わる業界もあるのです。

出版業界は変わっていくでしょう。デジタルの書籍、雑誌、マンガになったときも、古いコンテンツが収益を生むようになりました。復活したのです。これが今後は生成AIによる復活を遂げるのではないでしょうか。

デジタルコンテンツを持つ企業の優位性

早期からデジタル化に取り組んできた企業は、将来価値が高まっています。大きな優位性を持っているのです。短期間にデジタルデータは蓄積できません。過去から丁寧に蓄積した企業にスポットライトが当たるような気がします。

まとめ

デジタルコンテンツを単にデジタル化して保管するだけでなく、現代の文脈でいかに意味のある形で活用していくかは今後の課題です。現代風のアレンジができるのが生成AIの特徴で、「目新しさ」を醸し出してくれます。そこが、受け入れられるでしょう。他の企業からも同じようなコンテンツが次々と出てくるでしょう。2025年はそんな年にもなりそうです。

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