リーダーシップの真髄
「任せて、任せず」は、パナソニックの創業者である松下幸之助氏が残した言葉。最近では、松下幸之助氏を知らない人も増えてきました。パナソニックは知っていても、創業者の名前は記憶していない。数年前には、パナソニックの知名度が20代で下がったことがあり、大企業であっても、時間の経過とともに、知名度が下がる事例に出ています。現在は、広告戦略を変更し、知名度は回復しています。今日は、この言葉に隠されたリーダーシップについて掘り下げてみたいと思います。
意味するもの
この「任せて、任せず」という言葉が持つ意味を解きほぐしてみましょう。前半と後半で分けて考えてみます。
・「任せて」
スタッフに仕事を委ね、信頼を示す行為。その人の裁量と責任で物事を進められる環境をつくること
・「任せず」
しかし完全に手放すわけではない。途中で確認をする。必要なときには支援ができる状態を保つこと
この一見矛盾するような二つの姿勢のバランスこそが、リーダーシップの姿なのです。
「任せて、任せず」の実践
この「任せて、任せず」を実践するには、どうすればよいのでしょうか。4つの段階に分けて考えてみます。
1. 適切な権限委譲
まず、部下に「任せる」とは、単に仕事を振るだけではありません。責任と共に、その仕事を完遂するための権限も与えることが重要です。半端な権限委譲では、部下は十分に力を発揮できません。
2. 明確な期待値の設定
何を期待しているのか、成功とは何かを明確にしましょう。目標や期限、品質基準などを事前に共有しておくことで、部下は自分の判断で進めやすくなります。
3. 適切なフォローアップ
「任せず」の部分です。定期的な進捗確認、問題が起きていないかのチェックを行います。ただし、これは監視ではなく支援であるという姿勢が重要です。
4. 失敗を許容する文化
部下が自分で考え、行動する過程では、失敗も起こりえます。それを過度に責めるのではなく、学びの機会として捉える文化を作ることが、「任せて、任せず」の土台となります。
現代ビジネスへの示唆
松下幸之助のこの言葉は、今日のビジネス環境においても色あせていません。むしろ、リモートワークの増加やグローバル化によって、直接的なフォローが難しくなる中で、より重要性を増しているとも言えるでしょう。
マイクロマネジメントは部下のモチベーションを下げ、創造性を阻害します。かといって、完全に放任すれば、組織としての一貫性や方向性が失われるリスクがあります。「任せて、任せず」のバランスこそが、現代のリーダーにも求められる姿勢なのです。
自己成長への応用
この考え方は、リーダーシップだけでなく、自己成長にも応用できます。新しいスキルの習得や目標達成に向けて、自分自身に「任せて、任せず」の姿勢で接してみてはいかがでしょうか。
自分を信じて挑戦する勇気を持ちつつも、時に冷静に自己評価し、軌道修正する。そんなバランス感覚が、個人の成長にも大きく寄与するはずです。
まとめ
「任せて、任せず」—松下幸之助の残したこの言葉は、シンプルながらも奥深い経営哲学を表しています。リーダーとして、また一人の人間として、この言葉の真髄を日々の生活に活かしていきたいものですね。
(下記動画は上記文章をAIで読み上げさせています。人の動きもAIが自動生成しており撮影はしておりません↓)
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