価格下落が止まらない

液晶テレビの価格下落が続いています。たとえば、55インチだと、世界平均価格が過去2年間で
・15%下落
しています。日本市場では70,000円以下という価格帯まで下がりました。とても安く感じます。では、なぜ液晶テレビがこれほど安くなっているのか。答えはシンプルで、安く提供するメーカーがあるからです。中国製の液晶テレビが安価な価格を先導しているのです。この光景、他の業界でも同じですよね。広い意味での電化製品です。それは
・電気自動車EV
です。EVと同じビジネス構造に見えてきます。中国製が安価で市場に供給するので、全体の価格が下がっていく事象です。なぜ、そんなに簡単に価格が下がっていくのでしょうか。そのあたりを考えてみたいと思います。

価格下落の背景

ブラウン管テレビのときには、価格下落が続くことはありませんでした。製造メーカーが限られていたからです。製造技術が参入障壁になっており、製造メーカーが増えなかったのです。製造工程の差別化がされていたのです。

しかし、液晶テレビには、高い参入障壁がありません。部品の開発もあまり必要なく、汎用品を集めただけでも製造できてしまいます。そうなると、あとはコストが低いメーカーが安値で参入するのがセオリーです。参入企業の数が増え、供給される製品が増えてくればだんだんと価格は下落していきます。

状況による

中国の製造業は一時期、人件費が上昇し、製造コストのメリットが出なくなっていました。製造拠点を中国からベトナムなどに移動する日本企業も出ていたのを覚えています。中国製造から日本へ戻ってくる業界の話も聞いたことがあります。それが、現在は中国の不景気のため、再度コストの安い中国になっているのを感じます。EVに関しても在庫過多から安値で販売している状況だと認識しています。液晶テレビも同じようなことが発生しています。もともと工場も大規模なので、大量生産しなければ成立しない構造。そのため、製造した在庫も販売しなければ継続できないのです。

消費者にとってのメリット

購入する側にとってはメリットがあります。安値で大型液晶テレビが手に入るからです。家庭用に限らず、企業にも導入されるのではないでしょうか。大型液晶がオフィスにあると常時情報を共有できます。ホワイトボードをやめて、液晶に表示する企業もあります。社内会議でも液晶に表示させながらミーティングを行えば、資料印刷も不要になるでしょう。また、お客様向けのプレゼンテーションでも活用が可能です。プロジェクターより液晶テレビの方がキレイな画像になるので、プレゼン資料もさらに良い内容に見えます。狭い部屋でプレゼンテーションをする場合には液晶テレビは有効でしょう。

まとめ

液晶テレビの価格下落は、競争の激化、供給過剰など複数の要因が重なって起きている現象です。消費者にとってはメリットなので、導入を検討するのもいいでしょう。商談やプレゼンテーションにおいては、液晶テレビを導入することで受注が増えることもあります。受注に向けた設備投資としては、手頃な価格水準になっていると感じます。

(下記動画は上記文章をAIで読み上げさせています。人の動きもAIが自動生成しており撮影はしておりません↓)

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