ビロンギングとは
ビロンギング(Belongingness)という言葉があります。組織の中における個人ついて表現された言葉です。具体的には、ビロンギングは
・「個人がある集団に受け入れられ、その一部として重要だと感じる状態」
です。または
・「グループまたは社会全体に受け入れられ、承認されているという感覚」
とも定義されます。根底には、人は
・集団へのつながりを求める存在
とされているからです。
では、なぜ「ビロンギング」が必要なのでしょうか。これは
◆人は安定的な人間関係を形成し、維持する強い欲求がある
のです。言い換えると
・所属する組織によって自己効力感や幸福感が左右される
ということ。仕事においては、パフォーマンスの違いが生じます。そのため、ビロンギングという概念が注目されるのです。
経緯を振り返ると
ここ数年、組織に対する意識について取り上げられる機会が増えました。大企業や大企業のグループ会社において離職率が高くなったからでしょう。20代30代の離職が急に増えた時期がありました。その後、「心理的安全性」というキーワードが広がってきた経緯があります。今回の「ビロンギング」もその流れのひとつ。いかにして組織内で一人ひとりが「承認されている」「受け入れられている」と感じるかを問いただしているのです。その意識が向上すれば、離職率が低下し、生産性が向上したというデータもあり、注目されるのです。
経営者との交流
組織規模が大きくなるとき、または、各地にオフィスが点在する場合、メンバーは会社の経営層との接点が薄くなってしまいます。そのままですと、どうしても一体感は薄れていき、気持ちも離れてしまいます。在宅勤務のケースも同じ。一緒の空間にいないので、組織への帰属意識もなくなっていくのが普通です。
そのため、企業では
・経営者とスタッフの交流の場
をセッティングするようになりました。気軽に会話できるよう、工夫されているのも特徴です。参加者が発言しやすい雰囲気をつくろうと努力しているのです。
どのような意見でも発言してもよい、という雰囲気づくりもここではポイントで、会社に対する意見を自由に発言できる状態がベストです。場の雰囲気をあえてコントロールしない感じで進めるといいでしょう。
まとめ
ビロンギングは、個人が心理的に満たされ、集団が最大限のパフォーマンスを発揮するために不可欠な要素。「ここにいていいんだ」「自分は必要とされている」と感じられる場所を見つけることがポイントです。シンプルな内容ですが、そこまで到達するには時間をかけて進めていきましょう。
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『経営情報Web Magazsine ファースト・ジャッジ』運営執筆藤原毅芳(fjコンサルタンツ) from2011