静かなる潮流か
「読書する人が増えている」
電車の中でリアル本を読む人の割合が少しずつ増えていると感じています。現代社会における読書の価値観の変化を象徴しているように感じます。
情報過多で、常に通知が鳴り続ける。まるでジェットコースターのように忙しい日々を送っています。そんな中で、リアル本を読むという行為は、まるで静かな場所でいるような安らぎと集中をもたらしてくれるのではないでしょうか。
なぜ、今、リアル本を読む人が増えているのか
いくつかの理由が考えられます。
- 情報過多からの脱却
ネットやSNSから、洪水のように出てくる情報に疲弊し、質の高い情報に触れたいという欲求が高まっている - デジタルデトックス
スマホやPCから離れ、現実に意識を向けることで、心身のリフレッシュを求める人が増えている - アナログ体験の価値
デジタルデバイスとは異なる、紙の本ならではの質感や、ページをめくる行為に価値を感じる人が増えている(バックライトがないことがポイント) - 集中力の回復
気が散る要素が少ないリアル本は、読書に没頭できる。没頭できる時間を欲している
このように振り返ると、人はある一定のストレスが蓄積し、許容量を超えると行動変容していきます。情報過多から離れたい人が増えているのかもしれません。情報の真偽を確かめながら情報チェックするのは、やはり疲れるのでしょう。
電車でリアル本を読む、その魅力とは
スマホやタブレットでの読書も便利ですが、リアル本にはリアル本ならではの魅力があります。そこには次のような理由が考えられます。
- 没頭力(集中力)
気が散る要素が少ないため、読書に没頭しやすい。 - 目の疲れ
画面からのブルーライトによる目の疲れがなく、文字が目に入ってくる感覚が違う - 触覚的な体験
紙の質感や、ページをめくる行為など、五感で感じる体験が読書をより豊かなものにする。高級な感覚を得られる
読書体験がある人が戻ってきています。読書の心地よさを取り戻したいのでしょう。落ち着いた時間が流れるようにも感じているはずです。そこに価値が発生しているのです。
まとめ
リアル本を読む人が増えていることは、読書の価値が再認識されつつあることを示唆しています。情報過多で、常に忙しい現代において、リアル本は静かな安らぎと集中をもたらしてくれる、かけがえのない存在でしょう。これからも、リアル本を読むという行為を通して、何かを取り戻していると感じます。
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『経営情報Web Magazsine ファースト・ジャッジ』運営執筆 藤原毅芳(fjコンサルタンツ) from2011