強さはどこにある

どの業界でも強い企業には共通点があります。それは
・販売力がある
ことです。
この販売力にも種類があります。規模で販売力を判断することもあるでしょう。しかし、わたしはそう思いません。なぜなら、規模が大きくても強くない事例があるからです。最近でも大手企業の中に調子の良くない企業も出てきました。その大手に納品している企業群も同時に崩れていくのです。

このようにしてみると、
・真の強さ
はどこにあるのでしょうか。さまざまな意見があると思いますが、そのひとつである
・コントロール度
について考えたい。コントロール度が高いかどうか。その違いが強さの違いをつくっていると思うのです。

たとえば情報発信

たとえば、情報発信を考えてみましょう。通常ならば、
・SNS
で発信すればいいのでは、となります。その通りです。アクセスを集めるには、その選択肢しかありません。しかし、そこにすべてを集中すると、逆に不自由になります。依存しているプラットフォームに左右されるからです。規約が変更になると、投稿内容の変更が必要になるかもしれません。チャンネルやアカウントをいきなり消されることもあります。これは大きなリスクです。

長らく検索の領域は Googleがトップでした。そのため、 Googleの広告を出しておけばビジネスが成立しやすかったのです。その地位は今でも変わりませんが、今後は未定です。他のプラットフォームが首位になる可能性も出てきています。そうなると、今まで構築してきたノウハウはまたゼロからになります。せっかくのノウハウも通用しなくなり、再度新しいプラットフォームで再構築することになります。

自社運営

情報発信を目的とするツールを選ぶなら、SNSなどプラットフォームも使いながら、自社運営の部分も構築したい。自社でサーバーを借り、そこに構築する情報発信です。その方が、何かがあったときに安全です。無くなることもありません。自社運営というコントロールできる領域を残しておくと安心なのです。自社運営のメディアを「オウンドメディア」と呼んで、流行った時期がありました。最近は聞かなくなりましたね。でも、自社メディアの強さは大手企業でも再認識されており、活用している事例も出てきています。

まとめ

今回はコントロール度で強さを判定する考え方をお伝えしました。ビジネスは思った以上にコントロール度が低いときがあります。業界によっては、購入する側が弱いケースもあり、購入する立場の人が価格コントロールできない場合もあるのです。そのため、できるだけ、コントロールできる範囲を広げていくことは経営継続のために欠かせないことだと感じます。改めて、自分たちの業界を見て、コントロール度が高い部分、低い部分を振り返っておきましょう。

——————————-
『経営情報Web Magazsine ファースト・ジャッジ』運営執筆 藤原毅芳(fjコンサルタンツ) from2011