循環投資

「循環投資」という表現されるようになりました。NVIDIAの投資手法についてです。これはベンダーファイナンスと呼ばれる手法で違法性はありません。ただ、バブルを形成している事実は否定できないでしょう。そのため、危うい行為だと報道されるようになったのです。また、OpenAIとNVIDIAの循環投資の総額が総額が200兆円となっており、その規模の大きさもリスクを感じる人が増えています。

OpenAI、NVIDIAと200兆円「循環投資」 ITバブル型錬金術に危うさ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN090FV0Z01C25A0000000/

ベンダーファイナンス

ベンダーファイナンスを具体的に説明します。ベンダーファイナンスとは、製品を販売するメーカーが購入する顧客に対して購入資金を供給する仕組みです。たとえば、今回のケースを具体的に見ると、
1)NVIDIA→OpenAIに出資(15兆円)
します。その後、
2)OpenAI→データセンターの開発に投入
3)データセンター開発には、NVIDIAの半導体が必要(NVIDIAから購入する)
という循環になっています。OpenAIはデータセンターの設置費用の一部をNVIDIAに出資してもらって自社データセンターを開発する仕組みです。データセンター設置には多額の費用がかかりますが、この場合ですと資金調達が楽になります。NVIDIAにとっても自分たちの売り上げが増えるので、結果的には両者ともにメリットがあります。

ベンダーファイナンスとは
企業が顧客に対し、自社の製品やサービスを購入する資金を供給する仕組み
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB266YO0W5A920C2000000/

ベンダーファイナンスとは
製品を販売する事業者(メーカー・販売会社)が、その販売の際にリースや分割払い等の金融サービスを組み合わせて提案できるようにする手法のこと
https://www.necap.co.jp/csv/case/case14.html

まとめ

現在、ベンダーファイナンスのリスクというより、投資金額の大きさにリスクを感じる人が増えています。今後、このリスクが大きくなるのか注目すべきポイントでしょう。AIが高性能なデータセンターを必要としなくなった場合に、損失が出る可能性が高いです。

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